2020.06.11

人気の黒時計最初の1本は? セラミックVS DLC

時計界で完全に人気が定着したオールブラックのモデル。そのケースにおいて代表格となるのがブラックセラミックとDLCだ。はたしてどちらが真のブラック王者の称号を手にするのか?

先駆者の技術が味わえる超硬なブラックスタイル

ラドーは’86年に世界で初めて時計にセラミックを採用したパイオニア。同社PRの中根さんは、「人工的な金属を含まない素材です。SSやチタンの4〜8倍硬く、金属とは異なる独特の質感が楽しめます」と語る。黒以外の色が出せるのも強み。

シチズンも’80年代、世界に先駆けDLCを採用。表面処理担当の塚原さんは「特殊技術で金属にカーボンを蒸着させ、SSなら表面硬度を5倍以上高めます」。これにより傷がつきにくく、さらに精悍な黒が実現するというわけだ。同じ黒でも、素材そのものとコーティングなので、質感の違いは、手に取ってみて。

結論!艶感のセラミック、重厚感のDLCお好みは?

ブラックケースは硬さか質感か?

セラミック
採用モデル増の時計業界トレンド

酸化ジルコニウムなどの原料を高温焼成して作り上げた素材。非金属のためアレルギーを起こしにくい。加工に手間がかかるが、完成品の硬度は1700ビッカースと非常に高い。軽く傷がつきにくいトレンド素材だ。

RADO(ラドー)
トゥルー オートマティック
ハイテクセラミックスの黒
ラドー独自の「ハイテクセラミックス」によるオールブラックモデル。80時間パワーリザーブを備えた自動巻きキャリバー搭載。径40㎜。セラミックケース&ブレス。5気圧防水。17万円。問い合わせ:ラドー/スウォッチ グループ ジャパン

 

ハイテクセラミックスは高純度な酸化ジルコニウムを原材料とし、1450℃の高温で2日間焼き上げる。焼成後、美しい仕上げが施され、超硬なケースが完成。

DLC
金属の質感はそのまま健在

SSやチタンなど、金属表面に炭素成分を成膜した加工技術。「ダイヤモンド・ライク・カーボン」の略。シチズンのDLCの仕上がりは1000ビッカース~と高硬度で滑らか。元の金属の質感を残しつつ黒く仕上がる。

CITIZEN(シチズン)
アテッサ CC3085-51E
デュラテクトDLCの黒
エコ・ドライブGPS電波時計の新作。独自の表面硬化技術「デュラテクトDLC」を施したスーパーチタニウムのケース&ブレスを採用。精悍で力強い外観が特徴に。クォーツ。径43.5㎜。10気圧防水。18万円。問い合わせ:シチズンお客様時計相談室

デュラテクトDLCは低温プラズマ製法により、金属の表面にカーボンを蒸着させるコーティング技術。SSの5倍超の高硬度が実現する。耐傷テストの結果からも明らかだ。

(デュラテクト)。

デュラテクトDLCは低温プラズマ製法により、金属の表面にカーボンを蒸着させるコーティング技術。SSの5倍超の高硬度が実現する。耐傷テストの結果からも明らかだ。
(デュラテクト)。

 

[時計Begin 2020 SPRINGの記事を再構成]