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2020.06.24
中身同様、時計は「外側」も重要です! 外装専業サプライヤー
時計の「美しさ」を担うサプライヤーの超絶技術とは?
時計の価値を決めるのは、ムーブメントだけではない。装飾品でもあるため、やはり見た目も重要である。ケースとブレスの製造技術に長けたサプライヤーが、時計に美しさという、高貴な価値を与える。
しなやかかつ美しいミルマイユを生み出す手業
腕時計のフォルムは、年々多様化し、複雑さを増している。各ブランドが、それぞれに個性を競った結果である。コンピュータによる3DCADの普及も、複雑化に拍車を掛けている。ブレスレットの造作も、またしかりだ。
ブランパンは2018年、実に複雑で美しいブレスレットを世に送り出した。下のモデルに備わるのが、それだ。一見すると金属線を編み込んだミラネーゼのようだが、実は微細なリンクを連結して作られたミルマイユと呼ばれるブレスレットである。フランス語でマイヨンと呼ばれる小さなリンクをピンで連結して生まれるブレスレットは、金属製とは思えぬほどにしなやかで、かつ美しい。総パーツ数は、実に530個以上。ムーブメントの部品点数よりはるかに多い。この製造を担うのが、「シモン・エ・メンブレ社」だ。
ブランパンのミルマイユブレスレットを成すマイヨンは、形や大きさが異なる31種類を必要とする。それぞれを公差5ミクロン以下で成型しなければ、ブランパンが求めるしなやかさは得られないという。成型後、丁寧に磨かれたマイヨンは、すべて人の手で組み立てられ、その後再び手作業で磨き上げられる。その際、各マイヨンの間にブラシを入れて仕上げることで、最上級の美しさとしなやかさが叶う。
気が遠くなるような地道な手業が、唯一無二のミルマイユブレスを生む。
パーツ点数は530個以上!
ブランパン御用達の高級ケース&ブレス
シモン・エ・メンブレ社
金属の切削加工に秀でる
ケース&ブレスの名門
1975年に創業したケースとブレスレットを専業とするメーカー。2012年₁ 月の新ファクトリー完成に伴い、スウォッチ・グループ傘下に。ハイエンドウォッチに特化し、各種ゴールドやプラチナ、SS、チタンの加工技術を持つ。仕上げの職人も抱え、手業も継承する。
[時計Begin 2020 SPRINGの記事を再構成]