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2020.11.10
ブロンズケース時計の完売伝説はパネライから始まった……
ブロンズケースの新時代をもたらしたのは、パネライの限定モデル"ブロンゾ"だった。歴代モデルは、どれも即完売。レギュラー化された現在も、予約待ちが続く。
パネライが築き上げたブロンズ時計のスタイル
経年変化を楽しむという、ブロンズケースならではの魅力を明確かつ全面に打ち出した最初のモデルは、パネライが2011年に発表した「ルミノールサブマーシブル1950 3デイズブロンゾ︲4₇MM」だった。1000本の限定モデルは、発表されるやいなや話題となり、瞬く間に完売した。
このモデルでは、ブロンズと相性がいいグリーンダイヤルを採用。またブランドと関係性が深いヴィンテージヨットの船具に使われている素材であることから、ブロンズをケースに用いることに意味合いを持たせたのも大きな功績である。後に他社から登場するブロンズケースの多くはダイバーズウォッチで試みられ、またグリーンのダイヤルが多用された。そうした流れを創り出したのは、パネライだったのだ。
2013年と2017年にも限定1000本の〝ブロンゾ〟を発表し、いずれも大成功を収めている。そして昨年、ついにレギュラーモデル「サブマーシブルブロンゾ︲4₇MM」が誕生した。これらパネライのブロンズケースは、他社製と比べて経年変化が著しく速く進む。銅の含有量が、多いからだ︵左ページのコラム参照︶。使い始めると、みるみる変化し、緑青が浮かぶ。ブロンズの魅力をどこよりも早く、パネライのブロンゾは体感できる。
パネライのブロンズ 完売ヒストリー
2011年
PAM00382
この年の話題をさらった 記念すべき初代ブロンゾ
今あるブロンズ時計ブームの先駆けとなった金字塔。ケースとベゼル、さらにリューズとそのプロテクターまですべてブロンズで造作されている。その外装がやがて浮かべる緑青と同じグリーンをダイヤルに用い、後のブロンズ時計に影響を与えた。Cal.P9000搭載。
2013年
PAM00507
メカニズムにも凝った 2代目ブロンゾ
ブロンゾ第2弾は、パワーリザーブ計が備わるCal.P9002を積む。初代よりダイヤルのグリーンはやや明るく、ブロンズベゼルとのコントラストがより鮮やかになった。ストラップも明るめのブラウンへ変更。初代同様、即完売し、ブロンゾ人気を不動のものに。
2017年
PAM00671
深海を想起させる ブルーダイヤルを初採用
3代目は、歴代唯一のディープブルーダイヤルとの組み合わせに。また針とインデックスに施したスーパールミノバも、初めてヴィンテージカラーを用いた。ダイヤルに備わる機構は初代と同じだが、時針だけを1 時間刻みで前後に動かせるCal.P9010を搭載する。
[時計Begin 2020 autumnの記事を再構成]