- 時計Begin TOP
- 特集
- デルフィン メカノ オートマティックに込められた防水時計の王者エドックスの矜恃
2021.06.10
デルフィン メカノ オートマティックに込められた防水時計の王者エドックスの矜恃
1960年代にエドックスが手がけた防水時計の名作「デルフィン」。そのDNAを受け継ぐ現行モデルはスケルトンデザインもじつに斬新!
写真/谷口岳史 文/岡崎隆奈
シリーズ初のスケルトン文字盤を通してCal.EDOX853が鑑賞できる。「ダブル-Oリング」装備で200m防水を確保。自動巻き。径43mm。左/SSケース(ピンクゴールドPVD)。ラバーストラップ。26万4000円。右/SSケース&ブレスレット。26万4000円。
エドックスの象徴となる砂時計をモチーフに、巧みなカットワークを駆使してモダンかつ個性的なスタイルに仕上げたスケルトン文字盤。
伝統的な防水スタイルに流行のスケルトンを融合
1884年の創業以来、持ち前の高い技術力により時計界で独特のポジションを確立してきたエドックス。とくに防水性に関しては他の追随を許さないブランドとして知られている。そのきっかけとなった名作モデルが1961年に誕生した「デルフィン」だ。
エドックスは’50年代初頭から新たな防水システムの開発に取り組み、革新的なリューズ機構“ダブル-Oリング”を完成させた。この世界初の特許技術を搭載した「デルフィン」は、当時としては破格の200m防水を成し遂げる。さらに’65年、進化した“ダブル-Oリング”採用の500m防水ダイバーズ「ハイドロサブ」が登場。こうして同社は、防水時計の名門として名を轟かせることになったのである。
この革新の血筋を継承する新作が「デルフィン メカノ オートマティック」。最大の注目は、シリーズ初のスケルトン文字盤を取り入れたことにある。ブリッジはブランドの象徴=砂時計に想を得た個性的な形状にカッティングされ、その上から精悍なブラックを施し、精悍でモダンなスケルトンに仕上げた。これにより文字盤側からムーブメントの動きを楽しむことも可能に。
もちろん、独自開発の“ダブル-Oリング”に加え、オリジナルにはなかったねじ込み式リューズを採用し200m防水を確保。また’70年代モデルからは、ビス留めされた12角形ベゼルを受け継ぎ、ラグジュアリースポーツの雰囲気も。まさに伝統と革新が融合した名門のプライドを感じさせる1本だ。
エドックスの防水時計伝説
エドックスが特許を取得したリューズ機構”ダブル-Oリング”。革新的なダブルリューズシステムと堅牢なケースバック構造により、リューズをケースにねじ込むことなしに、200mもの防水性能を確保することに成功した。
デルフィン
”防水時計の雄”の地位を確立した歴史的名作
1961年に誕生した「デルフィン」。”ダブル-Oリング”をリューズ内に備え、この当時では破格の200m防水を実現。さらに衝撃吸収の特殊内部構造を取り入れ、高度な耐衝撃性も獲得した。このモデルの成功により、エドックスは信頼性の高い防水時計のブランドとして広く認知されることに。
エドックスが独自に生み出した”ダブル-Oリング”だが、その特殊リューズシステムを筆頭に、時計内外の機構や構造を強化。これにより開発開始からわずか4年間で、防水性能を200mから500mへと飛躍的に向上させている。
ハイドロサブ
プロ仕様の装備も充実したハイスペックダイバーズ
1965年に発表された「ハイドロサブ」。”ダブル-Oリング”をはじめ、随所を見直すことにより500m防水を実現。また、時間計測が可能なオレンジ色の回転ベゼルなども追加され、完全プロ仕様のダイバーズに生まれ変わった。本作はクォーツ時計が優勢となる’80年代まで生産され続けた。
エドックスってどんなブランド?
クリスチャン・リュフリ=フルーリーにより1884年にスイスで創業。1955年に近代的自社工場を設立後、防水時計「デルフィン」、ワールドタイマー「ジオスコープ」などの名作を多く生む。近年はエクストリーム系競技と提携したスポーツモデルも人気に。
商品の問い合わせ/GMインターナショナル☎03-5828-9080
https://www.edox.jp/c/delfin/