メーカー保証期間が、最近長くなっているのってホント？

5年以上のロング保証メーカー列伝

これまで2〜3年が一般的だった製品保証。しかし2020年あたりを境に、多くのメーカーがその期間を延長しだして密かな話題に!?

10年保証

THE CITIZEN／シチズンにおいて最高精度を求めたブランド、ザ･シチズン。1995年の初代モデルから長期無償保証が付く。購入後に生じた自然故障に対し、モデルにより最長10年の無償修理が受けられる。

8年保証

CARTIER／カルティエは基本的にはすべての時計製品に２年間の国際保証を付けている。ただし購入後の期限内に「カルティエ ケア」にオンライン加入することで、計8年間の延長保証にアップグレード可能。

IWC／基本的に2年の国際保証期間を付けているIWC。しかし「MyIWC」にオンライン登録することで、8年間に延長できるサービスができた。登録するとメンテのヒントや最新のニュースも届けられる。

JAEGER-LECOULTRE／基本的にどの時計製品にも2年間の国際保証付き。そして「ジャガー･ルクルト ケアプログラム」に加入することで、保証延長が可能に。最長で6年の延長が可能であり、計8年の保証となる場合も。

PANERAI／耐久性と正確性の代名詞と謳われるパネライ。実は、2年以内に購入した時計製品を対象に「Pam.Guard」サービスを実施している。登録した腕時計には国際限定保証を計8年まで延長可能。

BREITLING／国際保証書を所有し、購入後2年以内なら保証規定に沿ったアフターサービスが受けられる。2012年1月以降に購入の自社製ムーブモデルに関しては5年保証が適応。さらに最大3年間の延長保証も可能。

5年保証

AUDEMARS PIGUET／正規販売店で購入した製品には、購入日から２年間の製品保証が付けられている。ただし購入日から2年以内にオーデマ ピゲの専用ページにて登録することで、5年までの保証延長ができる。

GRAND SEIKO／国産最高峰の時計ブランドであるグランドセイコー。2021年10月1日以降に販売された製品に、購入日から5年間の保証が付く。保証対象となるのは時計本体およびメタルブレスレット。

OMEGA／2018年から新しい保証制度をスタートさせたオメガ。マスタークロノメーターなどの認証制度に基づく技術革新に加え、本社工房における検査体制の充実がひとつのきっかけ。すべての時計に5年間保証を付けている。

RICHARD MILLE／「3+2」の保証サービスがリシャール･ミルの特徴。購入から3年以内は基本的に修理･点検が無償。規定に添って点検･整備を受けていると認定されれば保証が２年間延長される。つまり5年の保証が用意されているのだ。

ROLEX／購入日より5年間製品が正常に作動することを保証するロレックス。つまり規定の使用においてトラブルがあった場合は保証するということ。そこには自然消耗や誤った使用による故障は含まれない。

TUDOR／チューダーは2020年1月1日より、正規販売店での購入品に関し保証期間の延長を決定。従来は２年だったが、すべてのモデルに最大５年の保証を付与することに。創設者Ｈ.ウイルスドルフの精神を体現したサービスだ。

ZENITH／製造時に生じた可能性のある欠陥については、購入日から2年間の国際保証をすべての時計製品に付けている。さらにオンラインの「MYゼニス」に登録することで、3年間の保証がプラスされる。

もちろん正規店での購入や正しい使い方が前提条件だ

髭ゼンマイ男爵（以下男爵）　複雑系は別として、機械式時計の基本構造は１９５０年代くらいからそんなに変わっていない。だからメンテの手法にも大きな変化はないと言われているぞ。製品保証に関しては２〜３年くらいが長らく一般的だったのだが……。

ひまグチ君（以下ひまグチ）　しかし昨今は、その保証期間が長くなったと聞いてますよ？

男爵　そう、そこで貴族のツテをたどって著名メーカーの保証状況を探ってみた。そしたら上記のような人気メーカーは、こぞって５年などに延長できるオプションを用意していることが分かった。これは嬉しいサービスや〜。

ひまグチ　どうしてココに来て、各社保証延長に踏み切ったのかしら？

男爵　近年の時計は各パーツ類の加工精度に加え、シリコンなど使用素材の進化により、かなり安定性・耐久性がアップしたという。ゆえに以前よりも頻繁にメンテナンスをする必要がなくなり、保証期間も延ばすことができるようになったんじゃないのかーい？

ひまグチ　なるほどねー。じゃあオークションで手に入れたあのアンティークも安心ってワケだ。

男爵　ハナシを聞いてたんかーい？　正規ルートで購入し、正しく使用している近年モデルのみが対象じゃーい！

※各メーカーによって保障内容が異なりますので、詳しくは直接ご確認をお願いします。

[時計Begin 2022 SUMMERの記事を再構成]