2023.04.05

ブレゲ「マリーン」の歴史とは?【ロングセラー変遷記】vol.17

 

 

BREGUET

ブレゲ

【マリーン】

リューズガードにオリジナルの意匠が残るエレガントスポーツの先駆者

エレガントスポーツ時計の先駆けとして1990年に登場したブレゲ「マリーン」。特徴的なリューズガードを擁したスタイルで人気を誇るこのモデルの変遷を追う。

 

Original model

オリジナルモデル

1990年代

ドレスウォッチを基調に

スポーティに仕立てた新機軸

 

1990年発表の初代「マリーン」。ブレゲらしいエレガントデザインをベースとしながら、ケースサイドにリューズガードを備えた新たなスポーティスタイルを提案。デザインは著名な時計デザイナー、ヨルグ・イゼック氏によるもの。18KRGモデルのほか、SS×ゴールドのコンビモデルも存在した。

 

時を経ても新鮮さを失わぬ

絶妙なスポーティスタイル

1815年、アブラアンールイ・ブレゲがフランス国王から王国海軍時計師の称号を授けられたことをその名の由来とする「マリーン」。ブレゲ発祥の伝統装備であるブレゲ針やギヨシェ文字盤など、古典的かつ上品なデザインを基調とする一方、やはりブレゲ発祥のコインエッジをサイドに刻んだ肉厚なケースにして、リューズ両サイドにはスポーツ時計に特徴的なガードを備える。この斬新なデザインを手がけたのが、当時気鋭のデザイナーとして売り出し中だったヨルグ・イゼック氏。1990年に発表された本作では、これら一見アンバランスな組み合わせにより、従来のドレス時計、スポーツ時計とも違う、“エレガントスポーツ”という新しいコンセプトを生み出したのである。

2000年代に入るとマリーンは大きく変貌を遂げる。ゴールド主体だったケースにはSS素材が導入され、径39㎜までサイズアップ。個性となるリューズガードは波をかたどる形状となり、文字盤のギョーシェシースルーバック越しに見えるムーブメント装飾にも波模様を施した。この第2世代のマリーンは、マリン競技に興じる富裕層のニーズに合致し、一躍時代を代表する人気モデルに。クロノグラフや複雑機構などのバリエーションも年々拡大していった。

そして2018年、ついに第3世代が登場。新たにチタンケースを取り入れ、細身のベゼル、フラットなラグ、装飾性を排した文字盤など、大胆なデザイン変更を加えた新作は、ほどよくスポーティな要素を残しつつも、初代のシンプルさに立ち返った感がある。マリーンの新章はまだ始まったばかりである。

 

【2004年】この年の大々的なモデルチェンジにより誕生した「マリーンⅡ」。ギョーシェ装飾入りのローマンインデックスの文字盤、コインエッジを刻み込んだサンドイッチ構造ケースなどを受け継ぎつつ、時代に即した変更が加えられた。文字盤はブルーとシルバーをラインナップ。【変更点】シリーズ初のSSケースを採用。直径は36㎜から39㎜へと拡大し、リューズガードが波型のデザインに。文字盤6時位置の日付表示はビッグデイトへと変更。また、防水性を100mに向上させ、シースルーバックを導入。

【2005年】「マリーンⅡ フライバック クロノグラフ」。シリーズ初のクロノは、フライバック式のほか、センター同軸に分積算計を備えるワンランク上のスタイルとなった。ケースは18KWG製(18KYGもあり)で、内部には自社製の自動巻きCal.583Q/1を搭載。【変更点】クロノグラフの導入により、ケース径は42㎜に拡大。リューズガードは、やはり波型にデザインされた上下のプッシュボタンが兼ねる。文字盤はシルバーで、6時位置のデイトは単独表示のスタイルになった。

【2008年】2004年のブルー文字盤に続き、ブラック文字盤を追加(クロノのブラック文字盤は2007年に登場)。ブルーとシルバー同様、センター部分には精緻なウェーブ装飾が施され、よりクールで精悍な雰囲気を醸し出すようになった。自動巻きCal.517GG搭載。SSケース。径39㎜。【変更点】文字盤カラーがブラックとなった以外に、大きなデザイン変更はない。文字盤ベースに合わせ、6時位置のビッグデイトも黒地に白抜き数字となり、ストラップにもブラックラバーを取り入れている。

【2017年】平均太陽時と真太陽時が2本の独立した分針によって表示される「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」。径43.9mm。プラチナケース。自動巻き。イクエーション・オブ・タイム(均時差)。パーペチュアルカレンダー。トゥールビヨン。3500万2000円。【変更点】ダイヤルにあらたに開発された波模様のギョーシェ彫り、マリーン Ⅱからひきつづき、蓄光ローマ数字のチャプターリングとインデックス。ファセットを加えた18Kゴールド製の蓄光ブレゲ針、ゴールドの太陽モチーフの真太陽時表示針を装備。

【2018年】第3世代の「マリーン 5517」。前年に発表の複雑時計「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」をベースに、文字盤&ケースデザインが大胆に生まれ変わった。自動巻き。径40㎜。ホワイトゴールドケース。アリゲーターストラップ。10気圧防水。434万5000円。【変更点】ケース素材にホワイトゴールドを採用し、ケース径が40㎜に拡大。ベゼルが細身となり、上下のラグがフラットなプレートタイプとなった。ホワイトゴールドケースの文字盤は手彫りギョーシェとなる。

【2018年】こちらは左と同じ「マリーン 5517」のチタンケースモデル。288万2000円。

【2019年】「マリーン 5517」のチタンケース&ブレスバージョンが登場。外装を軽量かつ硬質なチタン素材に統一したことで機動性が増し、金属アレルギーのリスクも軽減された。自動巻きCal.777A搭載。径40㎜。10気圧防水。303万6000円。【変更点】ブレス素材にチタンを採用した以外に大きな変更はなし。チタン製ブレスはコマのひとつひとつに熟練の職人がサテン仕上げを施し、サテン&ポリッシュを使い分けたケースとの絶妙なコントラストをつけた。

【2021年】フライバック機能も加わったグロノグラフモデル「マリーン クロノグラフ 5527」。径42.3mm。チタンケース。ラバーストラップ。326万7000円。【変更点】サンバーストブルー仕上げのゴールドダイヤル。3時位置が12時間計、6時位置が12時間積算計、9時位置がスモールセコンドとなった。センタークロノグラフ針は海洋コードから想を得てデザインされた。

【2021年】こちらは左と同じ「マリーン クロノグラフ 5527」の18KRGケースモデル。514万8000円。【変更点】スレートグレイ仕上げのゴールドダイヤル。

【2022年】開発に3年も費やし、4件の特許を持つワールドタイマーモデル「マリーン オーラ・ムンディ 5557」。ワンクリックで瞬時に変更できるデュアルタイム表示システムを装備している。径43.9mm。ホワイトゴールドケース。ラバーストラップ。自動巻き。1049万4000円。【変更点】ゴールドプレートの文字盤には、打ち寄せるウェーブ模様が手作業のギョーシェ彫りで施され、大陸の沿岸部はメタリックなターコイズの海岸線によって縁どられている。

【2004年】この年の大々的なモデルチェンジにより誕生した「マリーンⅡ」。ギョーシェ装飾入りのローマンインデックスの文字盤、コインエッジを刻み込んだサンドイッチ構造ケースなどを受け継ぎつつ、時代に即した変更が加えられた。文字盤はブルーとシルバーをラインナップ。【変更点】シリーズ初のSSケースを採用。直径は36㎜から39㎜へと拡大し、リューズガードが波型のデザインに。文字盤6時位置の日付表示はビッグデイトへと変更。また、防水性を100mに向上させ、シースルーバックを導入。
【2005年】「マリーンⅡ フライバック クロノグラフ」。シリーズ初のクロノは、フライバック式のほか、センター同軸に分積算計を備えるワンランク上のスタイルとなった。ケースは18KWG製(18KYGもあり)で、内部には自社製の自動巻きCal.583Q/1を搭載。【変更点】クロノグラフの導入により、ケース径は42㎜に拡大。リューズガードは、やはり波型にデザインされた上下のプッシュボタンが兼ねる。文字盤はシルバーで、6時位置のデイトは単独表示のスタイルになった。
【2008年】2004年のブルー文字盤に続き、ブラック文字盤を追加(クロノのブラック文字盤は2007年に登場)。ブルーとシルバー同様、センター部分には精緻なウェーブ装飾が施され、よりクールで精悍な雰囲気を醸し出すようになった。自動巻きCal.517GG搭載。SSケース。径39㎜。【変更点】文字盤カラーがブラックとなった以外に、大きなデザイン変更はない。文字盤ベースに合わせ、6時位置のビッグデイトも黒地に白抜き数字となり、ストラップにもブラックラバーを取り入れている。
【2017年】平均太陽時と真太陽時が2本の独立した分針によって表示される「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」。径43.9mm。プラチナケース。自動巻き。イクエーション・オブ・タイム(均時差)。パーペチュアルカレンダー。トゥールビヨン。3500万2000円。【変更点】ダイヤルにあらたに開発された波模様のギョーシェ彫り、マリーン Ⅱからひきつづき、蓄光ローマ数字のチャプターリングとインデックス。ファセットを加えた18Kゴールド製の蓄光ブレゲ針、ゴールドの太陽モチーフの真太陽時表示針を装備。
【2018年】第3世代の「マリーン  5517」。前年に発表の複雑時計「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」をベースに、文字盤&ケースデザインが大胆に生まれ変わった。自動巻き。径40㎜。ホワイトゴールドケース。アリゲーターストラップ。10気圧防水。434万5000円。【変更点】ケース素材にホワイトゴールドを採用し、ケース径が40㎜に拡大。ベゼルが細身となり、上下のラグがフラットなプレートタイプとなった。ホワイトゴールドケースの文字盤は手彫りギョーシェとなる。
【2018年】こちらは左と同じ「マリーン 5517」のチタンケースモデル。288万2000円。
【2019年】「マリーン 5517」のチタンケース&ブレスバージョンが登場。外装を軽量かつ硬質なチタン素材に統一したことで機動性が増し、金属アレルギーのリスクも軽減された。自動巻きCal.777A搭載。径40㎜。10気圧防水。303万6000円。【変更点】ブレス素材にチタンを採用した以外に大きな変更はなし。チタン製ブレスはコマのひとつひとつに熟練の職人がサテン仕上げを施し、サテン&ポリッシュを使い分けたケースとの絶妙なコントラストをつけた。
【2021年】フライバック機能も加わったグロノグラフモデル「マリーン クロノグラフ 5527」。径42.3mm。チタンケース。ラバーストラップ。326万7000円。【変更点】サンバーストブルー仕上げのゴールドダイヤル。3時位置が12時間計、6時位置が12時間積算計、9時位置がスモールセコンドとなった。センタークロノグラフ針は海洋コードから想を得てデザインされた。
【2021年】こちらは左と同じ「マリーン クロノグラフ 5527」の18KRGケースモデル。514万8000円。【変更点】スレートグレイ仕上げのゴールドダイヤル。
【2022年】開発に3年も費やし、4件の特許を持つワールドタイマーモデル「マリーン オーラ・ムンディ 5557」。ワンクリックで瞬時に変更できるデュアルタイム表示システムを装備している。径43.9mm。ホワイトゴールドケース。ラバーストラップ。自動巻き。1049万4000円。【変更点】ゴールドプレートの文字盤には、打ち寄せるウェーブ模様が手作業のギョーシェ彫りで施され、大陸の沿岸部はメタリックなターコイズの海岸線によって縁どられている。

 

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