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2023.12.08
〔全6回 特別連載企画〕ティソ大研究 第4回 ティソの革新
sponsored by TISSOT
長年の研究で勝ち得た磁力に負けない高精度
創業時から革新的気質に溢れていたティソ。なかでも特記すべきは耐磁性への挑戦である。1920年代、世の中に電化製品が増えると、各社とも時計精度に悪影響を及ぼす磁気に頭を悩ませた。
そこでティソは1930年、耐磁性を備えた世界初の腕時計「アンチマグネティック」を開発。その後も時計の耐磁性を検証するために、さまざまな強度の磁場を再現することが可能なクロノ エレクトロマグネットといった最先端マシンを導入し、独自に研究を続けた。そして同社は、30年代末までに全コレクションにおいて耐磁性能を有する製品を採用することに成功したのだ。
またティソは、創業100周年の50年代、インナーダイヤルの操作で世界中の時間帯がひと目でわかるワールドタイマーウォッチ「ナビゲーター」や、日付と曜日を同時表示する「ヴィソデート」などの画期的モデルを次々に発表。これらも同社の革新性の証明となるだろう。
[1930]アンチマグネティック
ティソが1930年に発表した世界初の耐磁性腕時計「アンチマグネティック」。それまでにない斬新な素材や構造で、精度に影響を及ぼす磁気の影響を抑えることに成功した。その性能はヌーシャテルの独立検査機関によって実証されている。
[1953]ナビゲーター
1953年にティソの創業100周年を記念して発表されたワールドタイマー機構を備えた「ナビゲーター」。24都市名が表記された文字盤中央のディスクが回転することで、各国の時間帯を同時に表示する24時間ダイアル仕様。創業160周年では復刻モデルもリリースされて話題に。
[1916]バナナウォッチ
1910年代、帝政ロシア・ロマノフ王朝の依頼で製作された角型カーベックスモデル。アールヌーボー様式特有のデザインが採用され、ケースがバナナのように湾曲することからこの愛称で呼ばれる。
[1954]ヴィソデート
こちらもティソ創業100周年の一環として1954年に発表された3針モデル。写真の日付表示付きモデル以外にデイデイト付きモデルもあり、曜日表示を腕時計に取り入れたのが当時は画期的だった。
[1965]PR516
レーシングシーンに想を得て開発された1960年代モデル。一体型のクッションケースや計器のような文字盤は、この時代のスポーツスタイルを象徴。パンチング入りストラップタイプも存在した。
ティソの代表コレクション「シデラル」
ティソの初代シデラルは、1969年に誕生。軽量かつ堅牢なスウェーデン製のグラスファイバーをケースに採用した、世界初の腕時計であった。シデラルというネーミングは宇宙に由来。初代シデラルが発表された1969年は人類が初めて月面に降り立った年でもあり、人々の関心が宇宙に向いていたことから、技術的革新の象徴として、この名前が選ばれた。
1971年には当時はまだ例の少なかったクリップシステム式のラバーストラップを装備した「シデラル S」を追加。ここに紹介するのは、その「シデラル S」を大胆に現代的にアップデートした最新作。ケースにはグラスファイバーに匹敵するタフ素材「フォージドカーボン」が採用され、かつての素材革命に、オマージュを捧げる。
カラーバリエーションは3種類
「ティソ シデラル イエロー」。ダイアルにはレガッタカウントダウン目盛りのデザインが施される。14万8500円。
「ティソ シデラル レッド」。30気圧防水、逆回転防止ベゼルでアウトドアやウォーターアクティビティにも対応。14万8500円。
「ティソ シデラル ブルー」ダイアルのアクセントカラーも3モデルでそれぞれ異なり、選ぶ楽しみがある。14万8500円。
お問い合わせ:ティソ公式サイト
TISSOT公式LINEアカウントはこちら:https://lin.ee/osHLgJD
※表示価格は税込み
文/岡崎隆奈 構成/市塚忠義