2026.05.15

Watches and Wonders Geneva 2026 新作速報 Part.6

2026年4月14日から20日まで開催された今年のWatches and Wonders Geneva。来場者数は約6万人と前年比でプラス9%。ますます勢いを加速するこの高級時計世界最大の見本市で発表された数々の新作をレポートしよう。

■ブルガリの新作

オクト フィニッシモ

ブルガリの薄型時計の傑作「オクト フィニッシモ」が待望の小型化。ケース径37㎜のモデルが誕生した。これまでの40㎜から比べると、よりライフスタイルでの活躍を重視したサイズ感。この「3㎜」を嬉しく思うファンは、想像以上に多いはずだ。シンプルな丸型ケースは安易に小型化できるが、多彩な面で構成される「オクト フィニッシモ」を小型化することは、技術的なハードルがかなり高い。ブルガリはこの37㎜モデルを実現するため、新たな自社製ムーブメントを完成させた。それがスイスの工房で3年間の開発と検証を経て誕生した「キャリバーBVF100」である。ムーブメントの直径は31㎜、厚さは2.35㎜でありながらも、約72時間のパワーリザーブを実現。40㎜モデルに搭載されているムーブメントと比べると、体積は約20%も削減されており、薄型のチタンケース&ブレスレットと組み合わされた結果、組み立て後の重量は、約65gという軽さだ。なお、新作の37㎜チタンケースモデルは、仕上げの違いで2種類が用意されている。深みのあるコントラストが楽しめるサンドブラスト仕上げ(写真)の他に、ケースのエッジがより強調されるサテンポリッシュ仕上げのタイプもラインナップ。光を受けると、全く異なる表情を見せる2つの時計には、ブルガリのプロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクターであるファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニの徹底したこだわりが感じられる。自動巻き。ケース径37㎜。超薄型サンドブラスト加工チタンケース&ブレスレット。30m防水。262万9000円。

問い合わせ/ブルガリ公式サイト

 

■ヴァン クリーフ & アーペルの新作

ミッドナイト ジュール ニュイ ファーズ ドゥ リュンヌ

見るからに、何かが「始まりそう」な腕時計。実際のところは、そんな期待を遥かに上回る複雑機構が搭載されている。独自の感性が光る天文学的な時計で、時計好きの心を離さないヴァン クリーフ & アーペルは今年、2008年に誕生したジュール ニュイ コレクションに驚異的な新作を投入。それが写真の「ミッドナイト ジュール ニュイ ファーズ ドゥ リュンヌ」である。モデル名にあるジュール ニュイ=デイ/ナイトからわかるように、昼夜を区別するデイ&ナイト表示を搭載。ダイアルの半分を覆うギヨシェ彫りのマザーオブパールダイアルは地平線を表現しており、その向こうにはゴールドの太陽が輝いている。この太陽がセットされているのは、24時間の回転ディスク。1日かけて、ゆっくりと時計のダイアル全体が回転するのだが、太陽が3時位置の地平線から隠れると、今度は地平線の9時位置側から、月が顔を表す。さらにこの月は、ムーンフェイズ表示になっており、月齢表示も同時に行うという優れものなのだ。しかし、この時計の本領は、ここから。8時位置のプッシュボタンを押すと、太陽と月が描かれたダイアルが約10秒間かけて360度回転。つまりオンデマンドで地球から見た太陽と月の、永遠の追いかけっこを楽しむことができるのだ。自動巻き。ケース径42㎜。18KWGケース。予価2574万円。

問い合わせ/ヴァン クリーフ & アーペル公式サイト

 

■パルミジャーニ・フルリエの新作

トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ

この時計を見て、なんの事前資料もなく「クロノグラフ」だと言い当てられる人は、まずいないだろう。一見するとシンプルな3針モデルに見えるパルミジャーニ・フルリエの新作「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」は、歴としたクロノグラフなのである。同メゾンが展開する、センター運針の針が「ピタッと重なる」シリーズは、これが3作目。いずれもトンダ PFからリリースされ、1本目がGMTのラトラパンテ、2本目がミニッツのラトラパンテであったが、まさか3作目にクロノグラフが登場するとは予想できなかった。なぜなら、クロノグラフは時計機構の中でも特に複雑であり、全ての針をセンターに配置するのは、なかなかの離れ業だからである。この時計には、5本の針が同軸上にセットされている。

1本目が時針、2本目が分針、残りの3本がクロノグラフの秒・分・時を計測する。7-8時位置のプッシュボタンを押すと、3本のロジウムプレートの針が12時位置に瞬時にフライバック。同時に一番長い針が、クロノグラフ針として計測を始める。つまりこの長い秒針は、通常は時刻表示の秒針として働き、プッシュボタンが押されるとクロノグラフ針に姿を変えるのだ。では、3本の針が12位置に集まったら、通常の時刻表示の針は、どうなるのか。それがこの時計最大の「ミステリューズ」。ロジウムプレートの針の下に隠れていたローズゴールドの時分針が現れ、通常の時刻を表示する仕組みになっている。さらにプッシュボタンを押すとクロノグラフ針が停止。もう一度プッシュボタンを押すと、全てがリセットされ、時計は何事もなかったかのように、3針スタイルへと戻るわけだ。一つの時計で2つの時計を楽しめる、そんな驚きの時計だ。自動巻き。ケース径40㎜。SSケース&ブレスレット。601万7000 円。

問い合わせ/パルミジャーニ・フルリエ公式サイト