2026.09.24

ブローバから1970年代の名作をリバイバルした新コレクション「Super Seville(スーパーセビーユ)」が登場!

トレンド最先端は、小ぶりなクッションケース!

「Super Seville(スーパーセビーユ)」。プレシジョニストクォーツ。ケース径35㎜。SSケース&ブレスレット(ステンレス+イエローゴールド PVD)。98A336(翡翠ダイアル)。3気圧防水。13万900円。

ゼンマイ駆動の機械式時計と、電池エネルギーを使うクオーツ時計。この2者を見分ける最も簡単な方法は、秒針の動き方を観察すること。ステップを刻まず滑らかに動く機械式時計の秒針に対し、クオーツ時計の秒針は、1秒ごとに1ステップ。音で表現するなら、機械式がジリジリ、クオーツがチッチッチといった具合だ。

ただし、クオーツ時計には例外的なものもある。その最たる例が、ブローバ独自のクオーツムーブメント“プレシジョニスト”である。1875年にアメリアで誕生した名門ブローバは、数々の革新的メカニズムで、時計業界に新風を送り込んできた。

最も有名なのは、1960年にブローバが世界で初めて完成させた音叉式腕時計”アキュトロン”。クオーツ時計が登場するより10年ほど早く、ブローバは超ハイビートで動く電子時計を完成させていた。

これはブランドのロゴにもなっている先端が二股に分かれた金属パーツを高速振動させ、その振動を歯車に伝えるというもの。このメカニズムによりブローバは、ステップ運針ではなく機械式時計と同じようなスイープ運針をするクオーツ時計を実現させたのである。

現在、この音叉式腕時計”アキュトロン”を受け継ぐ高精度なムーブメントが、クオーツムーブメント“プレシジョニスト”である。普通は2つ足の水晶振動子を採用するのに対し、3つ足の水晶振動子を採用することで、通常の8倍という262KHz(1秒間に262,000回転)を実現。

ブローバのクオーツムーブメント“プレシジョニスト”は、1秒間に16ステップするスイープ運針に加え、年差±10秒という圧倒的な高精度も同時に手に入れたのである。

ブローバのクオーツ時計がいかに特別で、そのムーブメントだけでも選ぶ価値があることをご理解いただけたかと思うが、今回のニュースの本題は、ここから。その独自のクオーツムーブメント“プレシジョニスト”を搭載した、なんとも斬新な新コレクションが発表されたのだ。

それが上の写真の最新作「Super Seville(スーパーセビーユ)」だ。先程、“新コレクション”と説明したが、厳密に言うと、この時計は1970年代のリバイバルとなる。1970年代といえば、クオーツ時計が一気に普及し、腕時計のデザインにおいても、その最先端メカニズムに見合った斬新なデザインが求められていた時代。

その分野をリードしてきたブローバが1970年代に完成させた腕時計が「Super Seville(スーパーセビーユ)」だったのだ。最大の特徴は、なんといってもエッジの効いたクッションケース。そのクッション形状を際立たせる立体的なフルーテッドベゼルも個性的だ。

リバイバル版の新作では、これらのディテールが忠実に再現されている。当時のスーパーセビーユはケース一体型のブレスレットが装着されていたが、こちらの現代版もこだわりのブレスレットを採用。

バックルに向かって幅が細くテーパードしていくブレスレットの装着感は極めて高く、コマのひとつひとつが、クッション型ケースのカーブ同様に美しいカーブを取り入れており、しなやかな動きを実現している。

また時計好きにとって見逃せないポイントが、デイト表示のないシンプルな3針デザインに徹底したこと。オリジナルモデルは、3時位置にデイト表示、12時位置に曜日表示を備えていたが、新作ではあえてこの2つの窓をなくし、フラットなダイアルとしている。

「Super Seville(スーパーセビーユ)」。プレシジョニストクォーツ。ケース径35㎜。SSケース&ブレスレット。96A348(ソーダライトダイアル)。3気圧防水。11万7700円。

その理由は、新作としてラインナップされた3つのバリエーションが、全て天然素材のダイアルを採用していること。それぞれのカラーが際立つ鉱石(ソーダライト・マグネサイト・翡翠)ダイアルは、2つとして同じ模様は存在しない。

ブルーのソーダライト、ホワイトのマグネサイト、グリーンの翡翠ダイアルは、やはり「穴」が開いていない方が、圧倒的に美しい。実用機能より、ダイアルの美しさを重視したブローバの英断に拍手を送ろうではないか。

「Super Seville(スーパーセビーユ)」。プレシジョニストクォーツ。ケース径35㎜。SSケース&ブレスレット。96A344(マグネサイトダイアル)。3気圧防水。11万7700円。

またケースのサイズ感も、実に絶妙だ。ケース径は、当時のモデルよりやや小ぶりな35㎜。このサイズ感が現代の“アレンジ版”であることを、さり気なく物語っている。この手の復刻モデルは、そのまんま復刻するより現在のトレンドを微妙に取り入れる方が難しい。ブローバは、その匙加減が完璧。

復活した「Super Seville(スーパーセビーユ)」のセンスの高さは、オリジナルを知っている世代から、この時計を初めて目にする10代20代の時計ファンまで幅広く共感できるものだろう。

問い合わせ/ブローバ公式サイト

文/市塚忠義