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パネライ PANERAI
イタリア / フィレンツェ
設立:1860年
パネライ時計店として創業。第一次世界大戦頃から、伊海軍向けの時計開発を始め、1993年には民生用も発表。1997年からリシュモン・グループ傘下となり、市場を広げ、世界的に大ヒット。
PANERAIの歴史
イタリア海軍用ミッション・ウォッチを出自とするパネライは、長く存在が秘匿されてきた。
しかも1966年の大洪水で資料が散逸。パネライの歴史の大半は、謎のベールに包まれている。
ゆえにミステリアスであることもパネライの魅力。わずかに開いたベールから、その歴史を垣間見た。
イタリア海軍からの信頼を勝ち得て時計製作技術を研鑽
極秘裏に作られてきたミッション・ウォッチ
パネライの歴史は、1860年にイタリア・フィレンツェに開業した「スイス時計店」に始まる。創業者はジョヴァンニ・パネライ、創業の地はアルノ川に架かるアッレ・グラツィエ橋。やがて橋の拡張工事で移転を余儀なくされ、市内を転々としながら規模を拡大し、イタリア初の時計学校としての機能も持つようになったという。単に時計を売るだけでなく、修理・組み立て、職人の育成まで行ったことが今の時計ブランド「パネライ」の礎となった。
1910年代にイタリア国鉄と海軍への時計納入業者となったスイス時計店は、1916年に強力に自発光する夜光塗料ラジオミールの特許を取得。それを用いて製作した様々な水中用計器は、イタリア海軍からの信頼をより強固なものとした。そして1930年代初頭、イタリア海軍は時計製造技術も持つスイス時計店にミッション・ウォッチの製作を依頼する。かくして1938年、イタリア海軍に正式に納められた時計こそが、今あるラジオミールのルーツだ。
以降、数々のミッション・ウォッチを極秘裏に製作し、安定成長を続けてきたパネライに1990年代初頭転機が訪れた。東西冷戦の終結によって軍事機密としての時計の役割を終えたのだ。そしてパネライは1993年、ついに初の民間用腕時計をイタリア市場向けに発表。1997年にはヴァンドーム・グループ(現リシュモン・グループ)傘下となり、世界デビューを果たす。軍事機密というベールを脱ぎ棄てたパネライ・ウォッチは、機能的かつ個性的な外観で、またたく間に大ヒット。自社のルーツを守りながら、現在に至るまで順調に成長を続けている。