PANERAIのムーブメント

パネライは2005年以降、実に多くの自社製キャリバーを開発してきた。
そのラインナップ数は、老舗マニュファクチュールを凌駕するほど。
優れた開発力が機能だけでなく厚さやサイズの豊かなバラエティを支える。

P.2005 垂直回転するトゥールビヨン
裏蓋側に見せるトゥールビヨンは、テンプの軸に対し垂直方向にキャリッジの回転軸を持つ構造に。回転速度も30秒で1周と速く、より強く重力の影響を平均化する。6日巻き。

多彩な機構を搭載しサイズも豊富な自社キャリバー

屈強で長時間駆動が自社ムーブの設計理念

大型ブリッジで全体を覆い、テンプは両持ちブリッジに。そのテンプはフリースプラングで、3日巻き以上のロングパワーリザーブを備える。一部のコンプリケーションなどを除き、これら4つをパネライの自社ムーブメントは共通の仕様としている。屈強で精度が得やすく、長時間駆動であることを設計理念としていることが窺い知れる。また大型ブリッジは頑強さを高めるだけでなく、生産性の向上にも有利だ。トゥールビヨンやミニッツリピーターを含む多彩な機構を搭載するだけに留まらず、サイズや厚さのバリエーションも多い。さらに今年、量産性に優れたエントリー機とも呼べるP.6000を発表。近い将来、全モデル自社製搭載を目指す。

P.1000 美観も優れた3日巻き
発表は2015年。パネライの自社ムーブとしては、ブリッジ形状が複雑で美しさにも気配りした設計となっている。機能は2 針+スモールセコンドとシンプルで、薄型。3日巻き。

P.3000 パネライらしい大型機
直径36.6㎜の大型の手巻きムーブメントは、実にパネライらしい。2枚プレートの大型ブリッジが、パーツの大部分をカバーする極めて頑丈な構造になっている。3日巻き。

P.2002 記念すべき自社ムーブ初号機
2005年発表の初の自社ムーブ。3バレルによる8日巻きを誇り、GMT、秒針のゼロリセット機能、水平運針するパワーリザーブ計も備える高性能な設計は、大きな話題となった。

P.2003 10日巻きオートマティック
P.2002をベースとした自社製初の自動巻き。3バレルはそのままだが、パワーリザーブは10日間まで延長された。自動巻きローターは両巻き上げで、軸受けはボールベアリング。

P.2005/MR パネライが誇るハイコンプリ
P.2005をベースに、ミニッツリピーターを追加。リピーターの第2音は10分刻みのデジマルに。さらにGMTと連携してホームとローカルのどちらの時間を鳴らすか切り換えられる。

P.4000 〝らしからぬ〞薄型自動巻き
自社製初のマイクロローター採用機。結果3.95㎜厚の薄型自動巻きに仕上がった。大型の1枚プレートがパネライらしさ。ゴールド製のローターは、ゴールドケースとマッチ。

P.4002 海外旅行の好パートナー
P.4000をベースに、GMTとパワーリザーブ計とを追加。パワーリザーブ計の配置が裏蓋側のP.4001と同じファミリーとなる。P.4000ともども、3日巻き。

P.5000 8日巻きのベーシック機
イタリア海軍用時代のDNAを引き継ぐ、8日巻き。毎時2万1600振動のロービートにより2バレルでも長時間駆動を実現。日付表示すら追加できない潔い設計で、量産性も高い。

P.6000 エントリーな自社ムーブ
今年発表の最新自社ムーブ。装飾は最低限に留め、機能も2針とシンプルなエントリー機で、汎用ムーブをベースとしたCal.OP Iの代替機として期待されている。3日巻き。

P.9010 薄く屈強に進化した自動巻き
2009年発表のP.9000の進化形。テンプのウケは両持ちとして耐久性を高め、一方厚さは抑えられた。時針だけを1 時間単位で動かせる機能も持ち、海外渡航時に便利だ。3日巻き。

P.9012 GMT+パワーリザーブを装備
P.9010をベースにGMTとパワーリザーブ計を追加。それでも厚さは6㎜で、センターローターの自動巻きとしては比較的薄い部類に。テンプのウケは造形に凝った。3日巻き。

P.9100/R 海との関係性を伝える機能
クロノグラフにヨットレースのスタート時間をカウントダウンするレガッタ機構を装備。時分同軸の2本の針がカウントダウンを表示した後、クロノグラフとして機能する。

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