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パネライ PANERAI
イタリア / フィレンツェ
設立:1860年
パネライ時計店として創業。第一次世界大戦頃から、伊海軍向けの時計開発を始め、1993年には民生用も発表。1997年からリシュモン・グループ傘下となり、市場を広げ、世界的に大ヒット。
PANERAIの海
イタリア海軍との関係により同社の事業は、まず水中用計測器の開発で花開き、時計製作へと至った。
潜水士のミッション・ウォッチとの出自こそ、パネライの時計とブランドのアイデンティティ。
その技術とデザインとを培った海との深い関わりを、パネライは今も大切にする。
海軍からヨットへ時代を経ても変わらぬ親密な海との関わり
海で生まれ海が鍛えた機能と普遍のデザイン
イタリア海軍のミッション・ウォッチとして誕生したパネライの腕時計の機能とデザインは、海中で使われることを前提として開発された。それらが生まれた1930〜40年代当時はイタリア合理主義と呼ばれるモダニズム建築運動のさなか。建物の機能性と合理性とを追求するこの思想は、パネライの腕時計にも強く影響を及ぼした。大きく屈強なケースや1950年代に開発された特徴的なリューズプロテクターは防水性を高めるため。4方向アラビア数字のダイヤルは海中での時の読み取りを容易にし、そのインデックスをくり抜いたサンドイッチ構造は、下に敷く夜光塗料の発光をより多くダイヤルに届ける。今もパネライを特徴付けるディテールは、海中でのミッションをサポートするための機能の追求から創出された。
海で生まれ、海で鍛えられたパネライは、民生用となってからもその出自を大切に受け継いでいる。多くの現行モデルに、ミッション・ウォッチ時代の様々なデザインを引用しているのが、その証。それらが決して色褪せないのは、海中でのミッションをサポートする機能美を備えているから。モダン・デザイン論において機能美とは、普遍だと説いている。
さらに今のパネライは、時計以外でも海との関係性を深めている。2005年から主催する「パネライ クラシックヨット チャレンジ」は、その象徴の1つ。地中海で始まったレースは、その後、米国北東部、英国へと戦場を広げ、2012年には大西洋横断レース「トランサットクラシック」まで組み入れられるに至り、現在ではクラシックヨット界の最も重要な大会となっている。また主催するだけに留まらず、1936年製のヨットを修復し、自らも参戦。さらに2017年には国際ヨットレース「アメリカズカップ」の公式パートナーとなり、アメリカチームと日本チームとを時計でサポートしている。
パネライは、自身のルーツが海にあることを決して忘れない。