PATEK PHILIPPEの代表作

革新性と美しさ、高品質を追求してきたパテック フィリップの時計は、どれも傑作である。だがやはり、メゾンの真骨頂は、グランド・コンプリケーションであることにだれも異論はないだろう。長い歴史の中で生み出された、時代時代の最高傑作は、息を呑むほどに素晴らしい。

今を代表するリバーシブルの複雑時計
2016年に発表されたRef.6300。回転式とした47.4㎜のケースに、グラン&プチソヌリ、ミニッツリピーター、瞬時日送り式永久カレンダーなど20の機構を収めた。さらにひげゼンマイは、最新技術によるシリコン製SpiromaxⓇを採用。

月桂樹の彫金が彩る175周年記念モデル
2014年、7本限定で製作されたグランドマスター・チャイム5175。上のRef.6300は、このムーブメントの転用。
日付を鐘の音で知らせるデイトリピーター機構など計6つの技術特許も取得。緻密な彫金を施したケースも見事!

持てる技術の粋をいかんなく発揮した時計史に残る金字塔

技術の研鑽が生んだ複雑機構の代表作

2014年、創業175周年を迎えたパテック フィリップは、その記念モデルとして堂々たるグランド・コンプリケーションを発表した。
両面にダイヤルを備え、グランソヌリとミニッツリピーター、チャイム機構、永久カレンダーなど20もの機構を搭載したグランドマスター・チャイム5175だ。これは、メゾンの歴史のひとつの集大成と呼べるだろう。何故なら、この時計の複雑機構の多くは、過去にその技術を研鑽し生んだ代表作によるものだからだ。例えばソヌリやリピーターといった時打ち機構は、1910年製作の懐中時計「レグラ公」でひとつの頂点に至った。5つのゴングでウェストミンスターの鐘のメロディを再現したのだ。
両面ダイヤルに複数の複雑機構を載せることも、早くから試みていた。1927年の懐中時計「パッカード」は、その代表例。裏面ダイヤルに置く精巧な星座表をはじめ、10もの複雑機構を備える、まさに傑作である。
また腕時計の複雑機構でも先んじた。1925年、世界で初めて腕時計に永久カレンダーを搭載することに成功したのだ。これら代表作の存在が、メゾンが目指す革新性を証明する。

ウェストミンスターの鐘のメロディを再現
1910年、メキシコ貴族レグラ公に納品された懐中時計。5本のゴングを持つチャイミングウォッチで、ウェストミンスターの鐘のメロディを、ほぼ忠実に再現する。ケースの両面にはシャンルヴェ七宝で伯爵の紋章を描く。

天体表示も備えるダブルフェイス
アメリカの自動車王ジェイムズ・ウォード・パッカードの発注で1927年に完成。永久カレンダーなど10の機構を備え、開閉式の裏蓋を開けると、彼の故郷オハイオ州ウォレンの夜空に見える500以上の星を克明に再現した星座表が現れる。

腕時計では世界初永久カレンダー搭載
1925年に完成したユニークピースで、腕時計初の永久カレンダー。上下に曜日と月表示を配置し、3時にムーンフェイズ、9時にスモールセコンドを置き、日付表示はポインターデイト式だ。彫金装飾のラグが美しい。

パテック フィリップのオークションレコード

サザビーズやクリスティーズなどの時計オークションで、パテック フィリップは度々、落札額記録を樹立。時代を超えた確かな価値を持つ、コレが証だ。

2323万7000スイスフラン(約26億円)
ヘンリー・グレーブス
1933年、ヘンリー・グレーブス・ジュニアのために製作した24の複雑機構を搭載する超複雑懐中時計。時計の全カテゴリーでの世界最高落札価格を2014年のサザビーズで樹立。
730万スイスフラン(約8億2000万円)
5016A
2015年のオンリー ウォッチ チャリティ オークションのために製作した、唯一のSS製グランド・コンプリケーションRef.5016。腕時計およびSS腕時計の世界最高価格記録。
660万スイスフラン(約7億4000万円)
ワールドタイム1415 HU
2002年にアンティコルム社のオークションに出品され、当時の腕時計世界最高価格を樹立し、今も第2位。1946年製のワールドタイムで、Pt製のモデルはこれ1本のみ。
626万スイスフラン(約7億円)
1527
クロノグラフ・永久カレンダーは、高額落札の常連。中でも2010年に落札された、この18KYGケースモデルは、1943年製作のユニークピースということで、超高額になった。
512万スイスフラン(約5億7000万円)
キャリバー89
1989年、創業150周年を記念し製作された、33の機構を持つ当時最も複雑な時計。Pt、WG、RG、YGで各1本ずつが製作された。これはその中のYG仕様で、2009年落札。

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