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2018.12.19
【ロングセラー変遷記】ベル&ロスのセンスが光る大定番「ヴィンテージ」コレクション
名作ロングセラー時計の誕生と歴史、そして変遷を辿るこのシリーズ。
今回は角形BRと人気を二分するベル&ロスの「ヴィンテージ」を取り上げた。
Original model
オリジナルモデル
初のリニューアル作
初めての機種変更により「ジュネバ126 ブラック」の名で登場。丸みを帯びた直径39㎜ケースがポリッシュ仕上げとなった一方、2カウンター仕様のブラック文字盤、200mの防水性など、基本的デザインやスペックの多くをオリジナルから引き継いだ。
針の変更で古典色が濃厚に
時分針がドーフィン型に変更。センターのクロノ針もスモセコ針と同じ形状に。これによって、いっそうクラシック感が増した。また、インデックスが植字スタイルとなり、ドットが取り除かれている。
"デカ厚"のXLモデル
ふたたび〝ヴィンテージ〞の名を取り戻した「ヴィンテージ126 XL」。最大の特徴となるのは直径42.5㎜の大型ケース。ラグとベゼルの厚み、プッシュボタンのサイズなどもぐんとアップ。〝デカ厚〞人気に対応したスタイルはこの時代ならではといえる。
計器らしい賑やかな文字盤
時分針、クロノ針とも、オリジナルのスタイルが復活。インデックスは各時刻バーが取り除かれ、代わりに12・6時位置に三角マーカー、その他には5分ごとのアラビア数字を設置。さらに外周フランジには24時間表示も。
人気上昇の転換点となったアイコンデザインの採用
ベル&ロスというと、特徴的なスクエアケースと航空計器を模した文字盤の角形BRのイメージが強いが、じつはそれよりも前に登場していたのが丸形の「ヴィンテージ」である。純粋なベル&ロス製品としては第1作となるこのモデルは、’40年代のパイロットウォッチをオマージュする形で’97年に発表。シンプルでけれん味のないラウンドケース、視認性を重視した黒文字盤、サファイアクリスタルで再現された膨らみのある風防などは、それを彷彿させるに十分な仕上がりだった。
2000年代に入るとマイナーチェンジを経て、’10年に一大転機が訪れる。時計界のアイコンに成長した角形BRの文字盤意匠を大々的に取り入れ、名称も「ヴィンテージ BR 126」に変更。よりインパクトに満ちたデザインのモデルへと大胆に変貌を遂げたのだ。これによって、それまで別物と思われていたヴィンテージと角形BRは対をなす関係となり、このブランド戦略が見事にはまったことで、人気・注目度とも急上昇したのである。
そして昨年、ヴィンテージはついに第3世代に突入。一時は拡大傾向にあったケースは縮小され、時計のフォルム自体もフラットに。ブラックのタキメーターベゼル、ねじ込み式のプッシュボタン、リューズガードといった新たな装備も手にし、いっそうスタイリッシュな1本へと進化している。
オールドパイロットウォッチのアイデンティティは堅持しながら、ベル&ロスらしい独特のセンスで時代に即した変遷を続けてきたヴィンテージ。次なるステージにも大いに期待したい。
新たな丸形のBRが誕生
ブランドが第2世代に位置づける「ヴィンテージBR 126 オリジナル ブラック」。"BR"の名を新たに冠したことからもわかるように、ケースは丸形のまま、角形BRの文字盤デザインを完全に踏襲。もうひとつのBRモデルとしての歴史がスタートした。
アイコンデザインに統一
文字盤は12・6時位置を大型アラビア数字に、それ以外をロングサイズのバーインデックスに変更。また、針の先端も夜光仕様の太めにするなど、角形BRの意匠を取り入れた。ケースは直径41mmのサテン仕上げに。
黒ベゼルのスポーツモデル
仏ダッソー社のジェット機"ファルコン"誕生50周年を記念して製作された「ヴィンテージ BR 126 スポーツ ヘリテージ」。’ 60年代デザインをコンセプトとし、よりレトロなスタイルに。また、60分目盛りのブラックベゼルを取り入れたことで、ほどよいスポーツ感も。
ヴィンテージ風味の夜光
前作で大幅に変更された文字盤デザインを受け継ぎつつ、インデックスおよび針にサンドカラーの夜光塗料を塗布。また、インダイヤルなどの仕様がよりシンプルになった一方で、ケースは直径43㎜にサイズアップ。
洗練が格段に進んだ最新作
第3世代の"ヴィンテージ"として、昨年リリースされた「BR V2-94 ブラック スティール」。サイズダウンとともに、全体的にスタイリッシュさがアップしている。自動巻き。径41㎜。SSケース。カーフストラップ。100m防水。53万円。お問い合わせ先:オールブルー
各装備がより実用的に進化
ケースは直径41㎜に縮小し、よりフラットなスタイルに。ベゼルはブラックアルミニウムリング付きのタキメーター表示となる。さらにプッシュボタンもねじ込み式にして、リューズの両側にリューズガードを設置。
[時計Begin 2018 AUTUMNの記事を再構成]
文/岡崎隆奈 構成/市塚忠義