2023.02.24

国産時計ブランド 春の新作時計祭り Part 3

2023年3月末にスイスで開かれる新作時計見本市、ウォッチズ&ワンダーズを前に

我らが国産ブランドの動きも活発化。魅力的な新作が続々と誕生している。4大ブランドの気になる時計をまとめてみたい。

カンパノラの新作

ブルーダイヤルに待望のブレス仕様!

カンパノラは、「時を愉しむ、日常を愉しむ、個性を愉しむ」をテーマに2000年にデビュー。宇宙を感じさせるダイヤルや、建築物のような多重構造を駆使して、独自の世界を追求。シチズンからは完全に独立したブランドで、熱狂的なファンを多く獲得している。

「CAMPANOLA(カンパノラ)/コスモサイン」。AO4010-51L。クォーツ。径45㎜。SSケース&ブレスレット。36万3000円。

最新作「CAMPANOLA(カンパノラ)/コスモサイン」は、好評のメタルバンド仕様に加わった、待望のブルーダイヤルだ。ブルーの発色も見事だが、このダイヤルの真骨頂は、そこに描かれた精密な星座盤。反時計回りに回転する星座盤は、リアルタイムの星の動きを表示し、北緯35度の全天星座で見える4.8等星以上の恒星が1027個、星雲・星団が166個。なんと14版を重ねるプリントで再現したダイヤルの細かさは、もはや肉眼では確認できないほど(ルーペで見ると鳥肌ものです!)。

星座表示に加え、月盤による月齢の読み取り、日の出日の入り時刻の読み取りが可能。月位置表示も。

大きくカーブした球面状のサファイアガラスが、さらに宇宙空間を強調しているが、独自の無反射コーティング「クラリティ・コーティング」を施しているので、確実な視認性もキープ。壮大な宇宙を、いつでも手元で愉しむことができる。

ケースの厚さは14.1㎜。搭載するキャリバー4398は、月差±20秒。

問い合わせ シチズン時計

 

グランドセイコーの新作

百獣の王がクロノグラフに

初代グランドセイコーから続く、裏蓋のシンボルマーク。最高の精度を目指し、時計界の王者たらんとする意思を込めて獅子の紋章が選ばれた。最近のモデルは、シースルーバック仕様が多いため、このシンボルマークを見られることは少なくなったが、スポーツコレクションから登場した新作では、全く違ったアプローチで、この獅子のシンボルを表現した。

「グランドセイコー Sport Collection スプリングドライブ クロノグラフGMT」。SBGC253。スプリングドライブ。径44.5㎜。ブライトチタンケース&ブレスレット。163万9000円。

グランドセイコーの新作「Sport Collection スプリングドライブ クロノグラフGMT」は、まずその表情豊かなダイヤルに目を奪われるだろう。このテクスチャーは、専用の型打ちでライオンのたてがみを表しているという。光を受けると様々な表情を浮かべるシャイニーホワイトのダイヤルには赤いインデックスを効果的に使い、高い視認性も実現している。

スプリングドライブムーブメント、キャリバー9R86。平均月差±15秒(日差±1秒相当)。パワーリザーブ約72時間。

また時計ケースのかん足(ラグ)の形状も、これまでのモデルにはない、非常にユニークな形をしている。これは大きく張り出した獅子の爪をイメージしており、思い切ってエッジを切り落とした面には、お馴染みのザラツ研磨で歪みのない平面にし、加えてヘアライン仕上げが。一見するとSSケースのようだが、実はセイコー独自のブライトチタンで、SSケースに比べ、約30%の軽量化も実現している。

クロノグラフのプッシュボタンにはスリップ防止の溝が刻まれる。ケースの厚さは16.8㎜。

ここまで特別な内容からすると、グランドセイコーをよく知るファンは「限定モデル」であると考えるかも知れないが、本作最大のポイントは、レギュラーモデルであること。じっくり考えてから購入できることも魅力だ。

問い合わせ セイコーウオッチお客様相談室 0120-061-012

 

オリエントの新作

ロングセラーにローマ数字登場!

本格的な機械式のムーブメントに、末永く付き合っていける飽きのこないデザイン、できればアンダー5万円ぐらいの価格帯。時計初心者や、新社会人におすすめできる本格的な腕時計が、今正直なところ、あまりない。価格高騰の影響以外にも、回転率重視の価格帯では、がっつりトレンドを取り入れたデザインで、「生涯使える時計」とは言い難いモデルも多い。

「オリエントバンビーノ」は、世界中に愛用者がいるクラシック時計のロングセラーだ。そのシリーズ最新作は、実用的なデイ・デイト表示と24時間表示をバランスよくダイヤルに収め、インデックスにローマ数字を採用したことで、程よいレトロ感が漂っている。アンティークウォッチ風の、ぷっくりとしたボックスガラスもいい感じだ。

「オリエントバンビーノ」。自動巻き。径40.5㎜。SSケース。レザーストラップ。左/ホワイトダイヤル。右/アイボリーダイヤル。各3万8500円。

自社製キャリバーを搭載しつつ、価格は3万円代というのも奇跡的。新たに用意されたダイヤルカラーは4色で、ホワイト、アイボリー、グリーン、そして限定数のあるボルドーとなる。選び抜かれた機能とカラー。これなら安心して生涯のパートナーに迎え入れることができそうだ。

「オリエントバンビーノ」。自動巻き。径40.5㎜。SSケース。レザーストラップ。左/グリーン。右/ボルドーダイヤル(国内限定200本)。各3万8500円。

問い合わせ オリエントお客様相談室  042-847-3380

公式オンラインストア

 

カシオの新作

アナログとデジタル、選べないアナタへ

Gショックを選ぶ時、セレクトのひとつの基準として時刻表示が「アナログ」か「デジタル」か、という悩ましい選択に向き合うことになる。オリジナル重視派なら、数字表示のデジタル。瞬発的な見易さをとるならアナログ。しかし、今人気なのは「どちらも搭載」する欲張りモデルだ。ではその最新作を2つ紹介していこう。

「GM-2100BB-1A JF」は、Gショックの初代モデル“DW-5000C”にも採用された八角形フォルムを継承。手間のかかる鍛造、切削、研磨加工を経てアイコニックなデザインを成形する。メタルケースにはブラックIPを施し、オンオフどちらでも活躍が期待できる。

「Gショック 2100シリーズ アナログ・デジタル」。GM-2100BB-1AJF。クォーツ。径44.4㎜。SS +樹脂ケース。樹脂バンド。2万9700円。

同じくオールブラックの「GM-110BB-1A JF」は、ビッグケースモデルのGM-110がベース。横幅48.8㎜というケースサイズの存在感は圧巻だが、メタルベゼルをブラックアウトすることでクール&モダンな印象。どちらのモデルも耐衝撃構造は、Gショックのお墨付きである。

「Gショック 110シリーズ アナログ・デジタル」。GM-110BB-1AJF。クォーツ。径48.8㎜。SS +樹脂ケース。樹脂バンド。2万9700円。

問い合わせ カシオ計算機

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(構成・文/市塚忠義)