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2023.03.03
今年のロンジンは パイロットウォッチ祭り!? 伝説のマジェテックが再び
アンティークウォッチが好きな人なら、一度は見たことがあるであろう伝説のパイロットウォッチ……。1935年、ロンジンがチェコスロバキア軍からの依頼を受けて製作を開始したRef.3582、MAJETEK(マジェテック)である。

新たに再スタートしたロンジン伝説のパイロットウォッチ、マジェテック。
私事で恐縮だが、筆者が初めてこの時計を見たのは、銀座にあるアンティーク時計店「シェルマン」であった。時計業界に入ってまだ間もない頃「なんて大きくて迫力のある時計なんだ!」と、本物のミリタリー、本物のパイロットウォッチの存在感に衝撃を受けたのを覚えている。

1935年に誕生した初代マジェテック、Ref.3582。マジェテックとは“Majetek Vojenske Spravy(チェコスロバキア軍の所有物)”という意味から。1939年から1945年の間に、約1700機の戦闘機に装備されたという。また個性的なクッション型ケースのデザインは、1935年4月1日にスイス・ベルンの国際工業所有権機関に登録された。
当時はもう、パネライが復活を遂げていた時だったと思うが、クッションケースが代名詞のパネライより以前に、私がクッションケースというものを初めて認識したのがマジェテックだったと記憶している。その1935年製マジェテックを直系とするパイロットウォッチを、ロンジンが再びリリースした。新作「ロンジン パイロット マジェテック」の最大の特徴は、初代モデルのDNAである「クッション型ケース」と両方向に回転する「フルーテッドベゼル」だ。

「ロンジン パイロット マジェテック」。自動巻き。径43㎜。SSケース。レザーストラップ。55万円(初回:NATOストラップ付スペシャルボックス入り)。
ロンジンは今回、敢えて“復刻”という言葉を使っていない。最近だと、あまり捻ることなくオリジナルを復刻する“まんま復刻”が主流だったりするが、新しいマジェテックは、復刻というキーワードでは表せないほど、2つのDNAが進化している。

ケースと同じくクッション型の裏蓋は4つのビスで固定し、10気圧防水を実現。搭載するムーブメントはシリコン製ひげゼンマイでCOSC認定クロノメーターのキャリバーL893.6。
ケースはオリジナルより緩やかにカーブしており、外側に張り出していたラグは丸みを加えてより手首にフィットするよう再設計されている。ベゼルを回すと連動して動くマーカーは、オリジナルは良く言えばシンプル。つまり回転ベゼルの内側に取り付けられているだけであったが、新マジェテックは、このアワーマーカーをダイヤルとガラス風防の間に隙間を設けて、パーツに干渉しないように設置。ディファレンシャルギアを通して回転するベゼルの動きも極めてスムーズで、さらに高い防水性能にも貢献している。

9時位置側のケースサイドに記念の「1935」を刻んだプレートが。また付属するカーキグリーンのNATOストラップは、リサイクル素材を採用したポリエステルファイバー製だ。
この時計を特別なものにしている仕様が、ケースサイドにセットされた初代モデルの誕生年「1935」が刻まれたプレート。また替えストラップ1本と交換用ツールが付属するスペシャルボックス入りという内容も見逃せない。

ストラップ交換ツールと、NATOストラップが付属するスペシャルボックス。このスペシャルボックスは初回だけの仕様となる。
問い合わせ ロンジン
(文・構成/市塚忠義)