2023.03.13

着けて納得!新作時計インプレッション「カール F. ブヘラ」編

今年のカール F. ブヘラは、ちょっと違う!?

少し前に、カール F. ブヘラの新作でオールブラック軍団の「CFBカプセルコレクション」を紹介したと思うが、その実機を見る機会があったので、そのインプレッションをリポートしたい。またカール F. ブヘラの今後の方向性についても、ブランド側から正式なコメントを得ることができたので、そちらも合わせてご報告!

「マネロ トゥールビヨン ダブルペリフェラル ブラック/00.10920.16.33.01」。 今回のCFBカプセルコレクションの中で、最もケース径が大きいのが、このモデル。ダイヤルの構成がシンプルなので、それほど大きさは感じない。またカーボンケースの軽さもあり、かなり実用的なトゥールビヨンというイメージ。自動巻き。径43.1㎜。フォージドカーボンケース。ラバーストラップ。世界限定30本。902万円。

カール F. ブヘラのインターナショナルセールス担当取締役副社長、ミケーレ・スタルバッヂ氏が来日。今年、そして今後のブランドの方向性を日本のプレスに向けて説明する機会を持った。ポイントは大きく3つ。

「マネロ ペリフェラル パーペチュアルカレンダー ブラック/00.10916.16.33.01」。 オールブラックでシックではあるが、素材の表情がとても豊か。カーボンケースの黒に白い繊維が混じる質感と、アベンチュリンの夜空に手彫り装飾のWG製のお月様が、ピッタリとマッチしている。自動巻き。径41.6㎜。フォージドカーボンケース。ラバーストラップ。世界限定88本。539万円。

1つ目は、コレクションを絞り、自社製ムーブメントの搭載比率をあげていくということ。現在、カール F. ブヘラの商品は6つのコレクションから構成されているが、これを今後は「マネロ」「パトラビ」「ヘリテージ」の3コレクションに絞り込む。また、ここでいう自社製ムーブメントとは、カール F. ブヘラ独自の「ペリフェラルローター」搭載キャリバーのことを指すが、当面は全製品の3割に自社製ムーブメント搭載することが目標だという。商品のボリュームゾーンは70万円〜420万円。平均すると120万円ほどのモデルが主力となる。

「マネロ ペリフェラル ビッグデイト ブラック/00.10926.16.33.01」。 デイト表示(ビッグデイト)、曜日表示、パワーリザーブ表示という、実用3大機能の配置バランスが絶妙。ビッグデイトと曜日表示窓の白いフチが、とても効果的にダイヤルにメリハリをつけている。自動巻き。径41.6㎜。フォージドカーボンケース。ラバーストラップ。世界限定188本。341万円。

2つ目のトピックは、2023年のウォッチズ&ワンダーズ。こちらはまだ正式発表前なので、コメントは差し控えさせていただくが、今年の新作は、かなりの力作揃い。楽しみに待っていてほしい。そして3つ目は、オリジナルピース製作に向けたプロジェクト。具体的には、カスタムオーダーが可能となる「CFBマスターラボ」の開設だ。実際このサービスは、スイスとアメリカではすでに展開済みで、今後は日本でもこのサービスが受けられるようになる。自社製キャリバー搭載のハイエンドなコンプリケーションウォッチが基準とはなるが、「自分だけの1本」が、同社の高い技術力によって完成する。

「マネロ フライバック ブラック/00.10919.12.33.01」。 レトロなケースや、プッシュボタンも、黒く染まることでイメージが一新。途端にモダンな印象となるから不思議。クロノグラフ機構を組み込む分、ケースの厚さは5つもモデルの中で最も厚い14.15㎜だが、ぷっくり膨らむドーム型風防を採用してのこの数字は、優秀。自動巻き。径43㎜。DLC加工SSケース。ラバーストラップ。125万4000円。

今年、ブランド創業135周年を迎えたカール F. ブヘラが掲げた最新のブランドテーマ、それが「♯EXPLORINGTIME」だ。外に出ることも少なくなり、世界的に活動範囲が狭まっていた苦しい時期を乗り越え、これからはアクティブに自分探しの冒険を始める。そんな時にカール F. ブヘラの時計は、頼もしいパートナーになってくれるだろう。

「ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ブラック/00.10803.12.33.01」。 直径41㎜と、ケース径が最も小さいのがこのモデル。ダイヤルにはタキメーターや、各種カウンター、曜日表示にビッグデイトと、盛りだくさんだが、基本「黒」と「白」だけなので、視認性は高い。自動巻き。径41㎜。DLS加工SSケース。ラバーストラップ。138万6000円。

 

問い合わせ カール F. ブヘラ

(文・構成/市塚忠義)