ウォッチズ＆ワンダーズの主役たち W&W2023 速報　Part５モンブラン／オリス／パネライ

ウォッチズ＆ワンダーズの主役たち W&W2023 速報　Part5

モンブラン／オリス／パネライ

3月27日からスイスのジュネーブで開催された「ウォッチズ＆ワンダーズ ジュネーブ」。３回目となる今年は、48のブランドが参加した。新作の詳しい情報は、2023年６月8日発売の『時計BeginVol.110』でも紹介する予定だが、ここでは華やかな時計展示会の主役となった、人気ブランドの注目モデルだけを厳選。全８回にわたり、約50本を紹介する。

モンブランの新作

クロノグラフなのに、プッシュボタンはどこ！？

ダイヤルを見る限り、ツーカウンターのクロノグラフ。しかしこのモデル、クロノグラフのプッシュボタンが見当たらない。そう、この新作はベゼルの回転で操作する世界初のクロノグラフなのである。その操作方法は、ベゼルを１度回せばスタート、２度目でストップ、３度目でリセットといった具合だ。ミネルバ マニュファクチュール設立165周年と、初のリストウォッチ クロノグラフ ムーブメント、キャリバー13.20の生誕100周年というモンブランにとって重要なWジュビリーを、特別なクロノグラフで祝った。

2022年に発表したモンブラン スターレガシー ブルーカプセル。グレイシャー（氷河）をイメージした模様のブルーダイヤルの美しさが話題となり大ヒットを記録した。今年はその第二弾を早くもリリース。「モンブラン スターレガシー グレーカプセル」は、モンブラン峰の中でも雪が積もりにくいとされる南向きの険しい岩肌を表現。ゴージャスなゴールドの針とインデックスが、モノトーンな世界に華やかさを与えている。写真の３針モデルの他に、ムーンフェイズモデルとクロノグラフモデルも同時に発表。それぞれ1786本の限定品となる。

お問い合わせ:モンブラン公式サイト

オリスの新作

これまでのカーボンケースとは、別モノのクオリティ

機械式ムーブメントによる高度計表示（高度6000mまで計測可能）は、オリスだけが唯一実現できた特別なメカニズム。それだけでもオリスの「アルティメーター」を選ぶ理由があるのだが、この時計はさらに特別な要素を手に入れた。それが新開発したカーボンファイバーケースだ。カーボンケース自体、今どき何も新しい素材ではないが、この新作に採用されているカーボンファイバーケースは、オリスがスイス連邦工科大学から独立した９T研究所と共同開発したもので、特別なのは、その製造過程。通常カーボンケースのプレス、熱処理とは異なり、3Dプリント技術を応用した「積層造形」でケースが成型される。そのためより高精度な成型が可能となり、このカーボンファイバーケースには、ムーブメントを収めるインナーケースすら存在しない。47㎜というビッグサイズも、驚くほど軽く、新型「アルティメーター」は、重さを気にせず選べるプロパイロットウォッチに進化した。

見るだけで元気がもらえるライムグリーンのダイヤル。ディズニーマペッツのカーミットとオリスのコラボモデルが誕生した。毎月１日はカーミットデー。ダイヤルの６時位置の日付表示に、愛らしいマペッツの顔が現れ、この日は力を抜いて楽しくすごそうというメッセジを伝える。顔つきは可愛らしいが、中身は、あくまで本格志向。オリスが誇る自社製ムーブメント、キャリバー400が収まり、10年保証を約束する。誠実な時計作りを心がけるオリスがパートナーに選んだのは、誰もが知る有名人ではなく、国民的なキャラクター。そんなところにも同社の良心を感じる。

お問い合わせ:オリス公式サイト

パネライの新作

コレクターズに向けた新サイズ、新仕上げ

ダイヤルにアラビア数字とローマ数字、バーインデックスが混在するカリフォルニアダイヤルは、パネライの伝説的モデルRef.3646からインスパイアされたもの。個性的なこのダイヤルは、パネライの熱狂的なコレクターから人気が高いことで知られている。これまでカルフォルニアダイヤルは47㎜ケースで展開されてきたが、そこにひとまわり小さな45㎜ケースが誕生。ダイヤルカラーにはビンテージ感のあるグリーンが採用された。この雰囲気と合わせるかのように、パネライが独自に展開するリサイクルスティールのブルニートeスティール™️ケースにも、長年使用したかのような表面仕上げが施され、ビンテージテイストが際立つ逸品に仕上がっている。なお、こちらの新作は、パネライ ブティックのみでの販売となる。

パネライ初のアニュアルカレンダー搭載モデルが、ラジオミール・コレクションから誕生。大の月と小の月を認識するアニュアルカレンダーは、２月末だけ日付調整を行えばいいという便利な機能だが、パネライが新たに開発したアニュアルカレンダーは、カレンダーの表示方法がユニーク。ダイヤルの３時位置に曜日と日付が横並び。ここまでは通常のデイデイトと同じだが、その右には固定された三角マークがあり、その先で月の表示を行う。ダイヤル外周の月表示リングが月に一回回転することで、全てのカレンダー表示を横一列に配置。視認性が高く、スッキリとしたアニュアルカレンダーが完成した。

お問い合わせ:オフィチーネ パネライ公式サイト

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（文・構成／市塚忠義）