- 時計Begin TOP
- ニュース
- 6本の秒針がリレーで「時」を運ぶ!? ピエール・ドゥロッシュ TNT ロイヤルレトロ「動画で魅せる時計図鑑」
2023.08.03
6本の秒針がリレーで「時」を運ぶ!? ピエール・ドゥロッシュ TNT ロイヤルレトロ「動画で魅せる時計図鑑」
6本のレトログラード針が見せる妙技に感動
ピエール・ドゥロッシュ TNT ロイヤルレトロ 43 ディアブロ
秒針だけでなく扇型歯車の動きまで観賞できる
男の趣味たる時計は単なる時報装置にあらず。なにか眺めることで「トキメキ」をもたらすモノであってほしい。そういう意味で今回の複雑時計は非常に明快。いつ何時に見ても素晴らしい針の動きが目を喜ばせてくれるからだ。また、機械式時計にそれほど明るくない人とも直感的に楽しみが共有できるところも大いに魅力。ここに紹介するピエール・ドゥロッシュは、あの複雑機構の名手、スイスはデュボワ・デプラ社と縁深いメゾン。そう、1969年に発表された世界初の自動巻きクロノグラフを手掛けたデュボア・デプラ社の四代目がトップを兼任するブランドなのだ。
そんなピエール・ドゥロッシュの代表作がこのTNT ロイヤルレトロ。文字盤センターを囲むように配された6本の秒針は、すべてレトログラード方式というのがとにかくニーク。1本の秒針が10秒で約60度の角度を動いたところで次の秒針が同様に動き出し、一分間にてすべての秒針が動き切るという仕組み。まるでリレーのバトンのごとく「秒」が受け渡されていく様は、一種壮観ですらある。その特殊な動きをできるだけ楽しめるよう、文字盤はセミスケルトン構造。他の時計ではあまり見掛けない扇型歯車の往復運動もじっくり眺められる。
また、TNTシリーズはケースにもコストを掛けて作られている。チタンやカーボンナノチューブ等を用いたサンドイッチ構造ケースは11個ものパーツからなり、デコラティブかつ堅牢にして合理性あるデザイン。すべてにおいて複雑美を放つモデルなのである。
2009年のバーゼルフェアでデビューし、その前代未聞の多装レトログラードスタイルで業界の注目を集めたTNT ロイヤルレトロ。ベゼルには「itr2」というカーボンナノチューブを使用。カーボンパターンのストラップと相まってレーシーなルックス。チタン+SSケース。径43mm。自動巻きキャリバーPDR4017(パワーリザーブ約42時間)。10気圧防水。101本限定。363万円。
ベースキャリバーはETA社の2892。十分なトルクと高い信頼性を兼備することから採用。また、多くの人に複雑時計を楽しんで欲しいというピエール氏の願いも込められている。
太めの時分針が力強さを感じさせる。視認性もバツグン。
ケースバックはクリスタルサファイアのシースルー仕様。トラス構造のローターはブラックカラー。このモデルは101本のリミテッドエディションでありナンバリング付き。
力強いフォルムの時分針にはスーパールミノバが配されており、暗所での視認性に貢献。太めデザインのため輝きも十分だ。
<ブランド解説>
2004年にピエール・デュボワによりジュウ渓谷ルリューに設立。実はこのピエール氏、あの複雑機構モジュール製作で知られるデュボワ・デプラ社の四代目トップでもある。ピエール・ドゥロッシュは、同夫人であるキャロル氏との共同で運営するマイクロメゾンだ。代表作のTNTシリーズは2009年にデビュー。以来、アラームやGMTモデルなどをリリースしバリエーションを増やしている。
TNT ロイヤルレトロの楽しい動画はコチラ!
お問い合わせ:ピエール・ドゥロッシュ公式サイト
その他の動画で魅せる時計図鑑はコチラ!
動画撮影/岸田克法 文/長谷川 剛(TRS)