2024.12.27

日本人コレクションが世界で狙い目!? 世界一の時計オークション「フィリップス」が査定会を実施予定!

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フィリップス」といえば、時計において取引高も知名度もナンバーワンのオークションハウスとしてご存知の方も多いだろう。2017年にポール・ニューマン本人が所有していた、デイトナのいわゆる「ポール・ニューマンモデル」が1780万ドル(当時のレートで約20億3100万円!)で落札されたことは記憶に新しい。
そのオークションハウスこそ、フィリップスなのである。直近では特別な彫刻が施されたパテック フィリップのノーチラスRef.5711/1500Aが670万スイスフラン(約11億6300万円)で落札され、ティファニーブルーのノーチラス初号機を上回り、ノーチラス史上最高落札額となったのも、当然フィリップス主催のオークションだった。まさに、フィリップスは名実ともに世界一の時計オークションハウスと言って差し支えないだろう。

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そんなフィリップスの時計オークションはニューヨーク、ジュネーブ、香港を拠点に開催され、その中でも年に二度ほど特定のテーマを持った 「テーマオークション」が開催される。
2024年11月には香港で、日本をテーマにした「TOKI(刻)」が開催された。これは、日本の国内時計メーカーは、大手から小規模なものまで国際的に愛されている上に、スイスの主要ブランドが日本市場向けに特別に製作した時計も多いからだ。さらには日本人コレクターの出品物はコンディションが良いものが多く、高値が付く傾向があるからだそうだ。その証拠に、日本人が出品した商品には「Property of a Collector in Japan(日本人コレクターの所有物)」と最も目立つ場所に明記される。これは日本人オーナー出品物だけの特権だ。

ここでは「TOKI(刻)」で出品された一部を紹介したい。

ロット60 ブレゲの懐中時計(1926年頃)

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こちらは日本人コレクターにより出品されたブレゲの懐中時計。18Kのホワイトゴールドとピンクゴールドで作られており、ジャンピングアワーとディスクミニッツが搭載されている。毛筆で日本語が書かれた布ポーチと、1926 年 7 月 9 日に Mitoui TK 氏に 16,000 フランス フランで販売されたことを証明するブレゲの真正証明書が付属している。細かい付属品まで残っているのは、まさに日本人オーナーによる几帳面さの現れだろう。こちらは406,400香港ドル(約818万円)で落札された。

ロット80 ジャガー・ルクルト Ref. E2643(1971年頃)

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こちらも日本人コレクターによる出品。1960年代後半に発売されたダイビング クロノグラフで、このモデルは、米国市場向けの「シャーク ディープ シー」と、欧州市場向けの「ヴォーグ クロノグラフ」という 2 つの特徴を持っている。これは米国市場向けに発売されており、カタログによると、おそらく 1970 年代に日本人コレクターがアメリカ旅行中に購入し、それ以来ずっと国内にあったものとのことで、オリジナルの保証書、ベゼル、マニュアル、化粧箱が付属している。落札額は120,650香港ドル(約243万円)となった。

ロット39 精工舎のパイロットウォッチ(1940年代頃)

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現在のセイコーグループの前身である服部時計店の開発製造部門である「精工舎」のパイロットウォッチは、日本人コレクターによる出品ではないが、高く評価された。第二次世界大戦で神風特攻隊が着用していたことから「カミカゼ」とも呼ばれ、製造数が非常に少ない上に、ほとんどが損失、消失しているからだ。裏面には「空兵 第三一二0號」の表記があり、ここまで状態が良いのもはもう出てこないかもしれないと言っても過言ではない! こちらは82,550香港ドル(約166万円)で落札された。

ロット13:オメガ Ref. 3690.30.01(1997年頃)

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こちらも日本人コレクターによる出品ではないが、オメガの日本限定モデル。40本しか制作されたなかった18Kイエローゴールドのスピードマスター、通称「ゴールデンパンダ」である。こちらも非常に状態が良く、保証書と化粧箱一式、1997 年 12 月 26 日付高島屋渋谷店の刻印入り保証書が付属している。こちらは279,400香港ドル(約563万円)で落札された。

2月上旬に東京、名古屋、大阪で査定会を実施!

フィリップスの時計部門は年に2回、日本でも東京、名古屋、大阪で査定会を実施している。電話等で予約して会場に向かえば、2~3本であれば1時間程度で予想落札額を提示してくれる。もちろん、査定後に出品をしないという判断も可能だ。次回のオークションは2025年の5月。もちろんより高い値段が付きそうなオークションが予定されてれば、そちらを提案してくれる。上に記載したような、珍しいモデルや、保存状態がいいものは近くの中古宝飾店に持ち込むよりも、おもしろい価格になるかもしれない。オークションカタログにももちろん掲載されるので、思い出にもなる。

ぜひ自分のコレクションの一部や、両親などから受け継いだ時計があれば、査定に出して見ればいかがだろうか?
価格だけでなく、ただ販売するだけでは味わえない一生の思い出になることは間違いない。

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