2025.01.27

ユンハンスのクロノグラフに、異変あり!?

差のつく新作のカラーリングに注目!

ユンハンスといえば、無駄を削ぎ落としたシンプルさが秀逸なドイツブランド。特にデザインに「うるさい」人から絶大な人気があり、バウハウス最後の巨匠と言われるマックス・ビルのシリーズは、時計ファンはもちろん、感度の鋭いファッション関係者からも高い支持を集めている。

ここまで話すと、デザインありきのブランドのように思われるかもしれないが、元々は時計の部品メーカーとして出発し、やがて自社製時計を作っているだけあって、製品のクオリティは非常に高い。時計の価格を確認すれば、その「お買い得感」に、さらに驚く人も多いだろう。

「マックス・ビル クロノスコープ バウハウス」。27/4409.02。自動巻き。径40㎜。SSケース。レザーストラップ。5気圧防水。50万9300円。

そんなユンハンスから、個性的な新作クロノグラフが2本、リリースされた。1本目は、人気定番「マックス・ビル クロノスコープ バウハウス」の新色。ユンハンスのマックス・ビルといえば、圧倒的に「ホワイトダイアル」の印象が強い。

しかし今回の新作はオールブラックなのである。唯一、針だけを「赤」とした仕様が、抜群にかっこいいではないか! 「ブラックダイアル+赤針」のマックス・ビルは、これまでにも3針のオートマティックモデルにラインアップされていたが、クロノグラフではこれが初。黒と赤のコントラストは、クロノグラフになったことで、より強調されている。

もう1本の新作は、1950年代にルーツを持つ由緒あるクロノグラフ「マイスター パイロット クロノスコープ」だ。ユンハンスは1950年代半ば、創立されたばかりのドイツ陸軍からの依頼でクロノグラフを製作。その特徴は、一度見たら忘れない12角形の回転ベゼル。ベゼルには12個のノッチ(凹み)が備わっており、手袋をしたままでも正確な操作が可能だった。

左が新作のクロノグラフ、右が1950年代のオリジナルモデル。

新作クロノグラフでも、その伝説の意匠はもちろん踏襲。他にもプッシュボタンの形状や、横2つ目スタイルなどはオリジナル譲りとなるが、ダイアルは、これまでにないカラーリングを採用している。

ダイアル外周に向かって色味が濃くなる、美しい新色グラデーションダイアルは2色。ダークグレーマットとダークグリーンマットの、エフェクトラッカーダイアルだ。しかしこの2本、よく見ると違うのはダイアルのカラーだけではない。

「マイスター パイロット クロノスコープ」。自動巻き。径43.4㎜。SSケース。レザーストラップ。最大10気圧防水。左27/3493.00、52万5800円。右27/3492.00、50万4900円。

ダークグレーマットダイアルのケースは、ツヤのあるポリッシュ仕上げ。ダークグリーンマットダイアルのケースは、ツヤ消しのマット仕上げになっているのだ。こうした「芸の細かさ」は、ユンハンスならでは。

「マックス・ビル クロノスコープ バウハウス」も、「マイスター パイロット クロノスコープ」も、価格は50万円前半。この価格帯で、こだわりのクロノグラフを「悩める」ことは、実に嬉しい限りだ。

問い合わせ/ユンハンス公式サイト

文・構成/市塚忠義