2026.06.02

Watches and Wonders Geneva 2026 番外編 Part.1

2026年4月14日から20日まで開催された今年のWatches and Wonders Genevaの「会場内」には65ものブランドが正式に参加しているが、「会場外」へと一歩外に飛び出せばジュネーブ市内のいたるところで独自の新作発表会が行われている。ここからは、W&Wと同時期に発表された注目ブランドの新作を中心にレポートします!

■エドックスの新作

ネプチュニアン グランデ リザーブ オートマティック ジャパン リミテッド エディション

1961年に画期的な防水リューズ機構を開発したエドックス。現在でもハイスペックなスポーツウォッチを得意とし、特にダイバーズウォッチについて圧倒的な強さを誇るブランドとして知られている。「ネプチュニアン」は、同社がかつてスイス軍パラシュート部隊のために製作したミリタリーウォッチをベースに、よりタフな使用にも耐えるダイバーズウォッチとして2021年に誕生。そんなプロスペックのダイバーズに、なんともスタイリッシュなオールブラックの日本限定モデルが誕生した。現在、オールブラックの腕時計は決して珍しくはない。そこで差をつけるのは、ちょっとしたディテールへのこだわりだ。エドックスの新作「ネプチュニアン グランデ リザーブ オートマティック ジャパン リミテッド エディション」のポイントは、オールブラックにして全体が“マット仕上げ”ということ。SSケースに前もってヘアラインを入れ、その上に薄い皮膜のブラックPVDを蒸着。こうすることで、もともとのマットな質感が、ブラックケースになっても残るのである。ケースに加え、ダイアルもマットで仕上げ、光の反射を抑制。ダイバーズウォッチやミリタリーウォッチとしての重要な役割も果している。インデックスや針もブラックだが、こちらには黒のスーパールミノバ®️を施すことで、視認性を高めめた。また日付表示がないのも、シンプルなダイアルを好む日本人の嗜好に合わせたものだろう。日本限定100本。自動巻き。径42㎜。SSケース。ラバーストラップ(ナイロンストラップ付属)。30気圧防水。42万9000円。

問い合わせ/エドックス公式サイト

 

■ジャン マルク フュルーリーの新作

クロノグラフ FXR-4 オープンワーク

今年2026年に日本本格上陸を果たしたばかりのブランド、それがジャン マルク フュルーリー。2020年に自身の名前を冠してこのブランドを立ち上げた時計師ジャン=マルク・フュルーリー氏は、パテック フィリップやBNBコンセプトなどで腕を磨き、時計業界では約30のキャリアを持つ実力派の時計師である。そんな彼が手がける腕時計の魅力は、ヴィンテージ時計好きにはたまらない「レマニア」の傑作クロノグラフ・キャリバーを現代に甦らせて搭載しているということ。ヌーヴェル・レマニア社の名設計者と言われているアルバート・ピゲが1942年に設計し、その後は数多くの名門ブランドに搭載されたクロノグラフ・ムーブメント「レマニア Cal.2310」を、5年の歳月をかけて再解釈し、自社製キャリバー「FM04」を完成させたのだ。「レマニア Cal.2310」は、同社を傘下に納めたブレゲはもちろん、パテック フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンといった名門が近年までエボーシュとして用いていた傑作キャリバーだ。その伝説的なクロノグラフキャリバーを大型化(径27㎜→径32.5㎜)し、昼夜と日付表示を追加したのが自社製キャリバーFM04。さらに各パーツには入念な手仕上げが施されており、新作のオープンワーク仕様モデルでは、その美しいムーブメントの姿をダイアル側からも楽しむことができるのだ。手巻き。径40㎜。グレード23チタン+SSケース。レザーストラップ。3気圧防水。価格未定。2027年発売予定。

問い合わせ/ジャン マルク フュルーリー公式サイト

 

■アコールの新作

ルタン・エキリブル

このブランドをすでに熟知している人は、まだあまりいないだろう。AKHOR(アコール)は、昨年2025年のジュネーブ・ウォッチ・デイズにおいて初めての作品となる「ルタン・エキリブル」のプロトタイプをお披露目し、今年正式に時計市場に本格参入したばかりの新鋭ブランドなのである。しかし新参ブランドでありながら、見るからに“こなれている”内容に仕上がっているのは、名だたる名門ブランドを支えてきた敏腕サプライヤーが満を辞して設立した自社ブランドだから。その実力は、搭載されているムーブメントを見れば一目瞭然。自社製Cal. AK10は、ブリッジなどのレイアウトが見るからにジュネーブ仕様の美しい手巻きムーブメントだが、COSC認定のクロノメーターであると同時に、なんとジュネーブシールまでを取得している非常に稀有な存在なのだ。ムーブメントだけでなく、ダイアルも秀逸。立体的なダイアルは2層構造になっており、上の階に秒針、下の階に時針と分針が取り付けられている。時針・分針の取り付け部分は2層構造によって隠れているため、外側に先端だけ顔を出した針が、浮遊しているかのように時刻を示す。またダイアルの中心部はハニカムパターンになっており、ブランドロゴを配した秒針の大きなカウンターウェイトと共に抜群の存在感を放っている。なお、2層構造を構成する2枚の文字盤の組み合わせ(カラーや模様、ダイヤモンドのセッティングなど)は、カスタムオーダーに対応しているという。現段階で日本での正式な取り扱いはまだ決まっていないが、日本本格上陸が期待されるブランドである。手巻き。径39㎜。18KRGケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。5万7800スイスフラン。

問い合わせ/アコール公式サイト