- 時計Begin TOP
- ニュース
- ボヴェとピニンファリーナのコラボモデルが、日本で先行発売!
2026.10.21
ボヴェとピニンファリーナのコラボモデルが、日本で先行発売!
スケルトンムーブメントに映える、情熱のロッソ・コルサ

手巻き。径42㎜。グレード5チタンケース。ストラップ2本付属(レッド、ブラック)。3気圧防水。1111万円。
目の肥えた関係者の間で、非常に高い評価を獲得しているボヴェ。1822年、アドアール・ボヴェから始まる長い歴史を振り返ると、最初に名声を手に入れたのはエナメルやパールで美しく装飾されたゴールド製の懐中時計だ。清朝皇帝や貴族向けに製造および輸出することで大成功を収めたのち、1855年のパリ万博では金賞を獲得している。
2001年、休眠状態にあったボヴェを買収し、オーナーとなったのがパスカル・ラフィ氏だ。カリスマ経営者として知られる彼は、エボーシュメーカーなどを傘下に収め、垂直統合型の時計作りを推進。わずか数年で、ボヴェを世界トップクラスの時計マニュファクチュールへと育て上げ、GPHG受賞の常連ブランドとしても知られるほどになった。
現在、ボヴェの製造拠点となっているのが、スイス・ヌーシャテル州にあるモティエ城。14世紀初頭に建てられた中世の古城で、厳格な時計作りが進められている。ボヴェは、機械式時計の心臓と言われるひげゼンマイまでを自社で製造する数少ない時計ブランド。その内製率は現在、95%に到達している。

ボヴェが、時計の売り上げよりも、1本1本の品質に対して強いこだわりを持っていることは、その生産本数を見れば、一目瞭然である。以前は年間3000本以下に設定していた生産本数はさらに厳しくなり、現在は年間1000本以下になるようにコントロールされている。時計を知り尽くしたジャーナリストから「もし予算に上限がないならボヴェが欲しい」という声が多く聞かれるのは、こうしたクオリティへの異常なこだわりに魅力を感じるからだ。
さて、ずいぶん前置きが長くなってしまったが、今回のニュースは、そのボヴェと長きにわたりパートナーシップを続けているピニンファリーナとの最新コラボレーションモデルが発表されたこと。ピニンファリーナは、1930年にイタリア・トリノで創業した主に車のデザインを手がけるカロッツェリア。多くの人は、フェラーリのデザインを手がけるシンクタンクとして認知しているだろう。
ボヴェとピニンファリーナの協業は、パスカル・ラフィ氏がパオロ・ピニンファリーナ氏と出会った2010年から始まっている。偶然とは思えない多くの共通点に、両者はすぐさま意気投合。以後、さまざまなコラボレーションモデルが誕生している。

その最新モデルが、イタリアン・レーシングレッドを初めて纏ったアペルト1「アペルト1ロッソ」である。赤はイタリアの自動車において重要な意味を持つ色であり、「ロッソ コルサ」と呼ばれるレーシングレッドは、イタリアの車作りの情熱や躍動感の象徴とも言えるだろう。
新作「アペルト1ロッソ」ではそのロッソ コルサを、スケルトンムーブメントや時分針、またストラップやリューズなどにも巧みに取り入れている。
パルカル・ラフィ氏は「アペルト 1 ロッソには、大変心が躍っています。この時計には、卓越したメカニズムを備えたタイムピースにおいて、現代的かつ未来的なデザインを追求するボヴェとピニンファリーナの情熱が凝縮されています。ピニンファリーナと聞いて、赤ほどそのヘリテージを力強く想起させる色はありません。赤はイタリアの情熱の色であり、この国の自動車とモータースポーツの歴史を象徴し続ける色なのです」と語っている。

「アペルト1ロッソ」が搭載するムーブメントは、毎時1万8000振動のロービートで時を刻む7日巻きの手巻きムーブメント。この自社キャリバーには徹底したオープンワークが施されており、その主要パーツの精密な働きぶりを、時計の表からも裏からも楽しむことができる。
ムーブメントにはブラックとタンタルグレーのコーティングを、PVDおよびCVDで施しており、非常にモダンな仕上がりになっている。ムーブメントパーツの仕上げの高さは、まさにボヴェの真骨頂。プレートとブリッジだけでも、ムーブメント 1 つにつき最低10時間に及ぶ手仕上げが施されている。
スケルトンムーブメントの少ない面積に、グレイン仕上げ、ポリッシュ仕上げの面取り、サーキュラー・コート・ド・ジュネーブなどを効果的に施すことで、より立体的な陰影が生まれているのだ。
これらのムーブメントパーツは組み立ての前にコーティングされているため、組み立て中にわずかでも傷つけることは許されない。工具がひとたび滑れば、その部品は廃棄しなければならないという徹底ぶりだ。

また「アペルト 1 ロッソ」の特徴の1つになっているのが、ボヴェの特許技術「アマデオ」システムに着想を得た、独自のストラップ交換機構。「アペルト 1」のために専用開発されたこのシステムにより、プッシャーを押すだけでストラップの取り外しが可能。わずか数秒で別のストラップに付け替えることができる。なお、「アペルト 1 ロッソ」にはブラックとレッドの 2 本の ストラップが付属する。

そしてグレード5のチタン製ケースには、指紋がつきにくいサンドブラスト仕上げを施している。ケース径は42㎜。特筆すべきはその重さで、ストラップとバックルまで含めて、その総重量は、わずか63gしかない。毎日、そして一日中つけていても、疲れ知らずのフィット感を実現しているのだ。
このように特別感が満載の「アペルト 1 ロッソ」だが、実は世界ではまだ発売されておらず、現在は日本とモナコだけの先行発売となっている。その理由は、この時計が2026年10月8日に銀座に誕生した「アート イン タイム東京」のグランドオープンを記念したものだから。「アート イン タイム東京」は、独立系時計ブランドを集めたいま注目のウォッチメイキングギャラリー。実物が気になる人は、ぜひ足を運んでもらいたい。

問い合わせ/ボヴェ公式サイト
文/市塚忠義