2019.12.28

IWCの新・3針自社キャリバー、パイロット・ウォッチにわずか2万円アップで搭載完了!

新・3針自社キャリバーわずか2万円アップで搭載!!

頑固な堅牢ブランドもついにシリコン化

IWCは今年、3つの新しい自社製ムーブメントを発表した。中でも注目は、ベーシックな3針用自動巻きCal.32000系。シリコン脱進機の採用で72時間駆動を得た、IWC次世代の旗手だ。

 

IWCの今後を担うベースムーブです!

IWC 開発マネージャー
ステファン・イーネン氏

 

将来的な発展も期待できる高性能な3針自動巻き

昨年8月、広大な新ファクトリーが完成し、IWCの生産体制は大きく強化された。「ここを拠点に、今後4年間で自社製ムーブメント比率を80%まで高める予定」だと、開発のトップであるステファン・イーネン氏は語る。その大きな足掛かりとなるのが、今年パイロット・ウォッチの“スピットファイア”に初搭載された新型キャリバー32000系だ。その脱進機には、IWC初のシリコンが使われている。「脱進機をシリコン製としたのは、効率を高めて駆動時間を延ばすため。32000系は、3日巻きを実現しています。シリコン脱進機は、リシュモングループのムーブメント部門ヴァル・フルリエ製で、それ以外はすべてインハウスで製造し、組み立てています」

IWCが得意とする双方向爪巻き上げ機構により、巻き上げ効率にも優れる。イーネン氏曰く「ベースキャリバーとしてのポテンシャルも、極めて高い設計」。現在用いているETA2892A2の、これは代替機。高性能自社ムーブで、脱ETAを目論む。

 

キャリバー32110搭載モデル

IWC(アイ・ダブリュー・シー)
パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア
マーク11からの伝統を意匠とケースに継承

英国空軍の名戦闘機の名を冠する、今年の新作。そのダイヤルは、同軍に納めた名作パイロット・ウォッチ「マーク11」に範を取る。SSケースには、伝統的なブラックを使用。ブロンズケースには、オリーブグリーンを組み合わせ、よりミリタリー感を高めた。軟鉄製インナーケースによる耐磁仕様になっているのも、マーク11からの伝統。新型Cal.32110を磁気から保護し、高精度を保つ。自動巻き。径39㎜。右/SSケース。カーフストラップ。53万円。中/SSケース。NATOストラップ。53万円。左/ブロンズケース。カーフストラップ。59万5000円。お問い合わせ先:IWC

 

[時計Begin 2019 AUTUMNの記事を再構成]
写真/谷口岳史 文/髙木教雄 構成/市塚忠義