2024.01.11

高騰するクロノグラフを救うのは、誰だ!?「U-30万円クロノここが最後の砦か?」

ティソとハミルトンに搭載されるパワリザ60時間のスタミナムーブメント

ETAはむろん、同じスウォッチ グループ傘下のブランドには供給を続けている。その強みを生かしたティソとハミルトンのクロノグラフは、価格以上の価値を持つ。

【ティソ PRX オートマティック クロノグラフ】1970年代スタイルを現代に蘇らせたブレスレット一体型ウォッチのクロノグラフは、レーシィなパンダダイヤル。ケースとブレスレットはシャープな面が際立ち、ダイヤルは縦の筋目によるマット感が、スポーティである。防水性能は100m。デイリーユースクロノとして最適。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット。28万7100円。

お問い合わせ:ティソ公式サイト

希少な自動巻きクロノのエントリーモデル

スウォッチグループは、ETAに加え、時計に関するほぼすべてをグループ傘下で製造可能とする。そのメリットを最大限に生かすハミルトンとティソは、30万円を切るクロノグラフをいくつもラインナップしている。

ETAは2010年以降、7750とその横目仕様である7753をベースに、ブランドごとのエクスクルーシブ・ムーブメントを製作してきた。それらに共通するスペックは、60時間パワーリザーブ。44時間と短かった7750の弱点を克服し、週末に時計を外して過ごしても月曜の朝も動いているウィークエンドプルーフが実現されたことで、実用性が高まった。

頑強で耐久性に優れ、パワーに余力があって高精度が得やすいのは7750譲り。ハミルトンは、デイデイトも備わり、さらにシリコン製ひげゼンマイが採用され、耐磁性にも優れる。一方のティソは、デイト表示のみでひげゼンマイも通常の合金製だが、外装の出来栄えが、極めて優秀である。どちらも価格をはるかに超える価値を持つ。

【ハミルトン カーキ アビエーション X-ウィンド オートクロノ】操縦中に右手で操作しやすいよう、ムーブメントの天地を反転して左リューズ&ボタンとした。横風による行程への影響が計算できる偏流修正角計算機能を搭載。回転ベゼルと右の2 つのリューズで二層になったインナーベゼルを回すことで、素早く計算ができる。自動巻き。径45㎜ 。SSケース。テキスタイルストラップ。29万7000円。

7750をハミルトン専用に改良したCal.H-21は、2011年の登場。右のモデルが搭載するCal.H-21-Siは、末尾のSiが示す通り、シリコン製ひげゼンマイを採用し、耐磁性を向上させた進化形である。自動巻きローターには、飛行機のアングルスケールが刻印されている。

お問い合わせ:ハミルトン公式サイト

※表示価格は税込み

[時計Begin2024 Winter&Springの記事を再構成]