2022.08.31

やっぱり安心感が違います! 直営ブティック産のヴィンテージに注目 【目指せ!完全制覇 銀座時計店ガイド #02 ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座本店】

最新モデルはもちろん、ヴィンテージも「買える!」

銀座の晴海通りを歩いていると突如現れる巨大なマルタ十字のファサード。昨年の暮れにオープンしたのが、ヴァシュロン・コンスタンタンの銀座本店だ。銀座・天賞堂跡地と聞けば、その場所が分かる人も多いはず。ジュネーブを代表する古豪メゾンの最新ブティックは、世界標準の驚くべきサービスが用意されていた。

Q 銀座の7丁目にも、ブティックがありますよね。同じ街に新設したのは、なぜですか?

A 確かに7丁目にもヴァシュロン・コンスタンタンのブティックがありますが、来春には本店に集約されることが決まっています。ヴァシュロン・コンスタンタンは265年以上続く名門ですが、長い歴史にあぐらをかくことなく、新しいコンセプトを日々発信しています。ここ4丁目のブティックは、世界でも有数のサービスが受けられる最新の場所なのです。

「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」。住所/東京都中央区銀座4-3-9 TEL 03-6862-1755 営業時間/12:00〜20:00 休み/定休日なし

Q それは、どんなサービスなのですか?

A あまり知られていないのですが、このブティックでは最新モデルはもちろん、ヴィンテージピースも販売しています。スイス本社で正規メンテナンスを行なった時計ですから、コンディションの良さは言うまでもありません。歴史的価値の高い時計ばかりなので、決して安価ではありませんが、それでも巷で売られているように、いたずらにプレミア価格をつけることはありません。もちろん現行モデル同様の保証が提供されます。ちょうどヴィンテージピースの入荷があったばかりですよ。この3本がそうです。どうですか、美しいでしょう。

2Fのデスクの脇に、隠れ引き出し発見! ヴィンテージコレクションが常設される“Les Collectionneurs(レ・コレクショナー)”があるのは、世界でも限られた都市のブティックだけ。

上は1925年製のポケットウォッチで、エナメルダイヤルを採用したクロノグラフ。左は1972年製の通称サンダーバード。右は1940年製の角型時計で、飛びローマンダイヤル。全てイエローゴルドケース。価格は要問い合わせ。

Q 他にも、特別なサービスはありますか?

A ビスポークとなりますが、個人オーダーの時計も受け付けています。制作日数は、かなりいただくことになりますが、スイス本社と打ち合わせを重ね、世界でただ一本の時計をお作り致します。また、確かな技術を持った時計師がいてこそ可能となるサービスではありますが、ここ銀座ブティックにも優れた時計技術者が常駐しています。技術者がいるお店は珍しくはありませんが、ここは完全オープン。部屋や壁で仕切られていないので、メンテナンス時の作業など、お客様に直接見ていただくことができます。

2Fには、時計技術者が常駐。例えば、ムーブメントなどの小さなパーツは、顕微鏡を通してモニターに大きく映し出し、分かりやすく解説、なんてことも可能なのだ。

巨大なマルタ十字で形作られた窓ガラスは、開放感があり店内は非常に明るい。1階でタイムピースを選び、2階のゆったりとした空間でしっかりと見ることができる。

Q それでは、お店で人気の時計を聞きたいのですが、エントリーモデルでは、どんなモデルが人気ですか?

A ヴァシュロン・コンスタンタンのエントリー機というと、2針、3針のモデルが中心となります。トラディショナル・コレクションとパトリモニー・コレクションには、シンプルなモデルが多数ラインナップされていますが、中でも昔から安定して人気があるのが、最もシンプルなパトリモニー、2針の手巻きモデルです。

「パトリモニー・マニュアルワインディング」。18KPGケース。261万8000円。

Q コンプリケーションのモデルなら、どんなモデルがおすすめですか?

A 複雑機能の時計は、ヴァシュロン・コンスタンタンが最も得意とするところですが、実用的で見応えもあるフルカレンダーモデルは、いかがでしょう。通常のフルカレンダーなら、トラディショナルのコンプリートカレンダー、永久カレンダーならパトリモニーのパーペチュアルカレンダーがおすすめ。どちらもケースがシンプルなので、機能が際立っています。

「トラディショナル・コンプリートカレンダー」。18KPGケース。541万2000円。

「パトリモニー・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」。18KPGケース。1091万2000円。

Q あまり聞かれたくないかもしれませんが、オーヴァーシーズの在庫はありますか?

A ……。確かにお答えしにくい状況です。世界的な品薄状況が続いており、現在は予約注文もお受けしておりません。もちろん製造していないわけではありませんが、売れるからといって「増産」することはありません。品質を落とさないことが何より大事ですから。オーヴァーシーズは、確かに素晴らしい時計ですが、ヴァシュロン・コンスタンタンには、他にも傑作時計がたくさんあります。是非、お店に来て、実際に確かめてください。

今回、取材対応していただいたのは、ショップマネージャーの原 功さん。とても熱意のある方で、「ヴァシュロン・コンスタンタン愛」に溢れている方でした。

問い合わせ:ヴァシュロン・コンスタンタン

(写真/小澤達也(Studio Mug)、文・取材/市塚忠義)

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