2023.10.20

「365日」動き続けるシチズンの「Eco-Drive 365」

光発電を極めた究極の腕時計

「シチズン Eco-Drive 365」。クォーツ。径42.5㎜。左/SSケース&ブレスレット5万8300円。中/SSケース&ブレスレット(メッキ/ジェットブラック)。6万3800円。右/SSケース。カーフレザーストラップ。世界限定1200本。11万円。

エネルギーの源は「光」。シチズンの「エコ・ドライブ」は、世界中のどこであっても無償で手に入れることができる人類共通の資源を時計駆動のエネルギーに変換する、画期的なメカニズムだ。定期的な電池交換の必要がなく地球にも優しい「光発電時計エコ・ドライブ」は、1996年に腕時計としては初めて「エコマーク商品」に認定されている。

「BN1015-52E」。ダイヤルに4種類のラメを採用することで、星空や地球の美しさを表現。

シチズン時計の代名詞となりつつある「エコ・ドライブ」から、さらに画期的な最新モデルが誕生した。それが「Eco-Drive 365」である。勘の良い人ならピンときたかもしれないが、「365」とは「365日」のこと。なんとこの腕時計は、一度フル充電すれば365日動き続けるのだ。保管時に文字盤を表にしておけば、室内灯でも充電し続ける。つまり普通に生活していれば、時計が止まることはない。

「BN1014-55E」。アワーインデックスを、ダイヤルではなく見返しのリングにセットすることで奥行きのある立体的な構造になっている。

「Eco-Drive 365」の個性的でユニークなケース形状も、パワフルなムーブメントに負けていない。この外装デザインは、1973年に同社が発表した独創的なクオーツ時計「シチズンクオーツE・F・A」からインスピレーションを受けて完成したという。思えば「光発電」という発想も、ごく最近に開発されたものではない。1970年初頭、すでにシチズンはクリーンな「太陽光」に着目しており、1976年には世界初のアナログ式の光発電時計を発表している。

「BN1010-05E」。限定モデルの4箇所のインデックスには、ラボグロウン・ルビーをセッティング。

「Eco-Drive 365」は、50年にわたり進化を続けた光発電時計の、まさに集大成(もちろん、今後もっと進化していくと思うが……)。新作にはレギュラーモデルと限定モデルがラインナップする。レギュラーモデルは、SSケースと、SSケースにメッキ加工でオールブラックにした2本。そして限定モデルは、1973年「シチズンクオーツE・F・A」のデザインを、より彷彿させる世界1200本限定だ。

昨今の異常気象や事前災害は、これまでの当たり前は、当たり前にはならないことを証明した。便利なスマートフォンも、充電しなければ1週間もしないうちに止まってしまう。生活に必要なエネルギーと、どう向き合っていくかは、人類共通の課題である。「Eco-Drive 365」を選ぶことは、新しいライフスタイルの大きな一歩になるかもしれない。

お問い合わせ:シチズン公式サイト

文・構成/市塚忠義