2023.11.30

ゴールドでいっそう引き締まったシャネルのJ12

「J12 キャリバー 12.1」に初めてのイエローゴルド仕様

「J12 キャリバー 12.1」。自動巻き。径38㎜。高耐性セラミック×18KYGケース。高耐性セラミックブレスレット。パワーリザーブ約70時間。200m防水。231万円(※価格は公開日時点のものです)。

ご存知のように、シャネルは時計専業のメゾンではない。しかし、現在の高級時計業界の、いくつかの指標は、シャネルによって確立されたものだ。例えば、高級時計のケースに、「黒」と「白」という概念をもたらしたのは、紛れもなくシャネルである。

それまで、ゴールドなどの貴金属に加え、ステンレススティールなどのスポーティな素材が主流だった高級時計に、シャネルは「黒」と「白」という世界をセラミック素材によって取り入れた。艶やかで滑らかなセラミックは耐傷性にも優れ、美観と実用を両立。以降、セラミック素材の腕時計が、他ブランドからも続々とリリースされることになる。

シャネルが先駈けるのは、素材だけではない。時計に搭載するムーブメントに対しても、先見性を発揮している。現在、時計業界で最も注目度の高いサプライヤーのひとつ「ケニッシ」のムーブメントを、早くから採用していたのがシャネルだ。実際に、一部株式を保有しており、シャネル独自のケニッシ製ムーブメントを完成させている。

このように、素材、ムーブメントで業界をリードしてきたシャネル。その象徴とも言える「J12 キャリバー 12.1」に、初めて18Kイエローゴールドを取り入れたモデルが加わった。もちろんケースのベースは、セラミックだが、ベゼルやリューズが18Kイエローゴールドとなっており、針やインデックスにもゴールド仕上げが施されている。

ゴールドとのコンビネーションは、時計を裏返しても楽しむことができる。COSC認定のケニッシ製オートマティックムーブメントの回転ローターに、初のゴールド仕上げを採用。大きくオープン加工されたローターが、さらなる存在感を手に入れた。なお新作は、写真のブラックセラミックの他に、ホワイトセラミックのモデルも用意されている。

お問い合わせ:シャネル公式サイト

文・構成/市塚忠義