ロシア初の独立時計師 コンスタンチン・チャイキン氏インタビュー 「感情を揺り動かす時計を作りたい」

【コンスタンチン・チャイキン氏】1975年、ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。サンクトペテルブルク電気通信大学の無線工学科を卒業後、2003年にアブラアン＝ルイ・ブレゲの作品を鑑賞したことをきっかけに独学で時計製造を開始する。2013年よりAHCI（独立時計師協会）所属。2016〜’19年、同協会の代表を務める。

ロシア人独立時計師コンスタンチン・チャイキン氏の日本初となる直営店が銀座に開設。限定5本のジャパンリミテッドモデルを携えて来日した孤高の時計師に、ベールに包まれた時計製作の原点と自らの作風、新作のこだわりなどについて聞いてみた！

日本限定のニューモデル

Q1.新作「NINJA」はどういう時計ですか？

「あえてシンプルな機構を用いてエモーショナルな現代アートに」（チャイキン氏）

チャイキン氏／2017年に「リストモンズ（リストモンスター）」コレクションの最初のモデル「ジョーカー」を発表しました。今回の日本限定新作「NINJA」は、この「ジョーカー」を原点とする同コレクションの一環となる1本です。

原点の「ジョーカー」誕生秘話はこちらの動画で!!

同コレクションの特徴は、擬人化した目玉の動きで時・分を表示する、いわゆるレギュレーター時計であることです。私はこれまで多くの複雑機構を手がけてきましたが、ここではあえてシンプルな機構を用いることで、着用者の感情を引き出すエモーショナルな現代アート風のデザインにしたいと考えました。

新作での一番のこだわりは忍者のマスクですね。これはサファイアガラスに特殊メッシュのプリントを施しています。また、ストラップの上下に施した忍者をモチーフにした装飾や日本刀をかたどったシルバー製プッシュピン、裏蓋の彫金デザインなどもこだわった部分です。

Q2.その他の新作のこだわりは？

「目につきやすいキャラを題材にしつつ、着け心地のよい小振りに仕上げています」（チャイキン氏）

チャイキン氏／「ミニオンズ」は有名アニメキャラクターとコラボした1本で、レギュレーター＋ムーンフェイズ仕様を踏襲しながら、ケースにチタン、ストラップにデニム素材を採用してキャラクターの特性を表現しています。「スミロドン」はケース素材に古代感のあるブロンズを採用。また、文字盤6時位置が可動式となり、夜閉じて朝に開くと古代壁画のデザインで曜日表示を行います。一方、「コロボック」の6時位置はムーンフェイズにくわえ、おとぎ話のキャラクターで示す曜日表示も兼ねています。

いずれのモデルも小振りで装着感のよい直径40㎜サイズを新たに取り入れ、99本の限定モデルとなります。

Q3．どのようにして時計技術を学んだのですか？

「独学で時計製造をマスターし、ロシア初の独立時計師になりました」（チャイキン氏）

チャイキン氏／私は大学で無線工学を学び、身内にも祖母が時計修理の受付をしていた以外に時計製造の関係者はいません。2003年に故郷のサンクトペテルブルクでブレゲ展を鑑賞したのをきっかけに時計の世界に魅せられ、専門教育を受けることなく独学で時計製造をスタートしたのです。最初に作り上げた時計は置き時計のトゥールビヨンでした。

腕時計を手がけるようになったのは2007年頃です。その後、独立時計師協会（通称アカデミー）への所属が認められ、ロシア人初の独立時計師となりました。2013年、文字盤6時位置に馬のアニメーションを擁した「シネマ」というモデルを発表しましたが、それが後の「リストモンズ」コレクションの原点になったといえます。私は時計を作り始めた当初から一貫して、人々の感情を揺り動かす作品を世に送り出したいと思い続けています。今年10月にはまた新作を何種類か発表しますのでご期待ください。

日新堂 銀座本店4Fで国内初となる「コンスタンチン・チャイキン」が新規オープン！

住所：東京都中央区銀座7-9-3（銀座7丁目中央通りヤマハ隣り）
TEL：03-3571-5611
営業時間：11:00〜20:00
定休日：無休（元日を除く）

お問い合わせ:コンスタンチン・チャイキン公式サイト