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2024.06.24
「光るパネライ」の、これが集大成!
LAB-ID第4弾は機械式のマイクロ発電機を搭載!

「サブマーシブル Elux LAB-ID PAM01800」。自動巻き。径49㎜。ブルーTi-Ceramitech™️ケース。ブルーラバーストラップ。500m防水。世界限定150本(そのうち今年は50本のみ販売)。1574万1000円。10月発売予定。
暗闇でもしっかりと高い視認性を発揮する「光る時計」において、パネライがその第一人者であることは、いまさら説明する必要もないだろう。パネライのコレクション名にもなっている「ラジオミール」や「ルミノール」といった名前は、かつてパネライがダイアルで使用してきた蓄光塗料のことである。
もちろん現在のパネライでは、放射性物質を含まないスーパールミノバ®️に置き換えられているが、同社を代表するサンドイッチダイアル(インデックスに塗るのではなく、くり抜いて下から光らせる方法)などで、強力に光るDNAは今もなお健在である。
そんな「光る時計」に、これまでの集大成ともいえる新作が登場した。それがこの「サブマーシブル Elux LAB-ID PAM01800」である。モデル名からわかるように、このモデルはパネライの研究開発部門「ラボラトリオ ディ イデー(アイデアの工房)」によるプロジェクトで、3年ぶりに発表された第4弾となる。
これまでのLAB-IDモデルには、潤滑油を不要とし「50年間のメーカー保証付き」という驚愕モデルもあったが、今回の新作では、パネライの発光技術にあらゆる力が注がれた。通常、夜光ダイアルといえば、明るい場所で蓄光した針やインデックスが、暗闇で光るというもの。その良し悪しは単純に、光の強さと、光の持続時間だ。
対してこの「サブマーシブル Elux LAB-ID PAM01800」は、8時位置にあるELUXボタンを押せば(カバーを上に持ち上げ中のボタンを押す)、自主的に時計のダイアルを光らせることができる。ボタンを押してダイアルが光る腕時計は、今どき珍しくはない。しかしこの時計が唯一無二であるのは、その発電システムの全てが機械式で行われていることだ。
搭載する自動巻きのムーブメント「P.9010/ELキャリバー」には、全部で6つものバレルが備わっている。そのうち2つは時刻表示用だが、残りの4つは照明用のエネルギー貯蔵バレルだ。その機械式エネルギーを「コイル、磁石、ステーター」を備えた極小のマイクロ発電機(8×2㎜)が電気に変換することで、明るさをコントロールすることができる。つまり電子機器は一切組み込まれておらず、1秒で80回転する240ヘルツの高速ローターを搭載している。
ELUXボタンを押して光る部分は、ダイアルの針とインデックス、そして回転ベゼルにセットされた丸いドットだ。光る物質を「塗るだけ」であれば、どんなパーツでも発光させることは可能だ。だが「稼働するパーツ」に「電力」を送り込むとなれば、その経路を確保するのは至難の技。パネライはこのシステム実現のために、様々な特許技術を開発している。
この「パワーライト」機能の持続時間は30分間で、残量はパネライが得意とする水平インジケーター(6時位置)で確認することができる。もちろん、針や時分針にはX1やX2といった強力なスーパールミノバ®️も塗布されているので、通常のモデルと同じように、ボタンを押さなくとも、暗闇では高い視認性をキープすることができる。
マイクロといっても発電機を搭載しているので、時計はそれなりに大きい。ケース径は49㎜、ケース厚は21.9㎜と、いかにもパネライらしいボリュームだ。しかし、ケース素材ににはブルーTi-Ceramitech™️(チタンケースの表面を電解酸化によってセラミック化させた独自のケース素材)が採用されており、非常に軽量。装着性に不安はない。
「サブマーシブル Elux LAB-ID PAM01800」は、世界限定150本。1年間50本で、3年間生産されることが決まっている。
お問い合わせ:パネライ公式サイト
文・構成/市塚忠義