2024.07.30

レッセンスの新作はダイアルが「光る」そして「回る」

二度見は確実! ダイバーズらしくないダイバーズ!?

「Type 5L」。自動巻き。径46㎜。チタンケース。ファブリックストラップ。10気圧防水。607万2000円。

ベルギーの新鋭時計ブランド、レッセンス。新鋭と言っても設立は2010年であるから、時計ファンには、すっかりお馴染みの個性派ブランドである。工業デザイナー出身の代表、ベノワ・ミンティエンス氏は、高速鉄道や航空機のキャビン、医療機器のデザインを手掛けてきた経歴の持ち主。保守的なスイス伝統の時計デザインに対して、まったく異なるアプローチで時計を開発している。

レッセンス設立者、ベノワ・ミンティエンス氏。

レッセンスの名を有名にしたのが、2013年に発表した世界初のオイル充填機械式ウォッチである。わかりやすく表現すると、ケースの中にオイルがなみなみと入っているのだ。レッセンスの代表モデル「Type 5」シリーズは、時計が2つの層に別れている。

時計の下の段には機械式のベースキャリバーが搭載され、その中は空気で満たされている。上半分にはオイルが充填されており、回転ディスク型のダイアルなどを動かすシステムROCS(Ressence Orbital Convex System)が搭載されている。「下」のベースキャリバーの動力は磁気を使ったトランスミッションで「上」のモジュールへとコネクトされ、ダイアルを回転させている。

今回のニュースは、その「Type 5」から、ダイアル全体が光るスーパールミノバ仕様のモデルが発表されたことだ。新作「Type 5 L」の「L」は、発光を意味する「Luminescent」。しかもこのモデルは、その風貌からはなかなか想像できないが、ISO6425の基準を満たした歴としたダイバーズウォッチなのである。

つまりこの光るダイアルは、水中でもその実力を発揮することができる。「Type 5」の風貌は大きくドーム型になっているが、オイルで満たされたダイアル側は「ウォータードロップ」による視覚効果で光の反射が抑えられ、時計を傾けて見た時にも、カーブしたガラスの端もダイヤルが歪んで見えることがない。

視認性が高く、高い防水性を持つ「Type 5」は、レッセンス独自の世界を表現しつつも、ダイバーズウォッチとして非常に理にかなったメカニズムを手に入れている。

お問い合わせ:DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン  cg.csc1@dksh.com

レッセンス公式サイト

文・構成/市塚忠義