2021.02.21

30~59万円のグランプリ時計2020はモンブラン ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフに栄冠!

心躍らずにはいられない良心価格
古豪ミネルバ譲りのモノプッシャー!!

いずれ劣らぬ個性派が揃った、この価格帯。ヴィンテージ感をうまく取り入れたモデルの一方、マジメな新自社ムーブも捨て難い。決定打となったポイントは⁉

 

レトロ顔の完成度が高い!(まつあみ)

グランプリモデル
モンブラン
MONT BLANC
モンブラン ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフ

往時を思わせる魅惑のミネルバテイスト
2006年からモンブラン傘下にあるミネルバが、1940~50年代に製造したモデルが着想源。モノプッシャークロノ機構に加え、サーモンピンクダイヤルやドーム状風防などヴィンテージな味わいに富む。自動巻き。径42㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。54万5000円。問い合わせ:モンブラン コンタクトセンター

 

選定員はこの人!
ライター&ミュージシャン
まつあみ靖氏
食傷気味のヴィンテージでもこの出来栄えに納得

ヴィンテージ・テイストは好きなんですが、やや食傷気味なのも事実。そんな中で、モンブランは物欲を刺激する出来栄え。機構はもちろん、色調やディテールの雰囲気もいい。今後ヴィンテージに頼らない骨太な新機軸の登場にも期待したいですが……。

Profire
1963年島根県生まれ。集英社を経てフリーに。時計、ファッション、インタビューなどの記事を手がけるライターの一方、ミュージシャンとしても活動中。

 

この価格帯の見どころ

デイリーユースに適した実用機と、ワンランク上の雰囲気のあるモデルとが混在するこの価格帯。最近のヴィンテージ・ブームを反映したモデルも目立った。価格以上の満足感をいかに盛り込めたかが、選定のポイントとなった。

話題騒然!あの大ヒット作を復刻
ブルガリ
ブルガリ アルミニウム ウォッチ

1998年に登場し爆発的人気を呼んだモデルをアップデート。レトロ感と新鮮さが絶妙に融合。自動巻き。径40㎜。アルミニウムケース。ラバーベゼル。ラバーストラップ。31万5000円。問い合わせ:ブルガリ ジャパン

新開発の自社製キャリバー搭載
オリス
アクイス デイト キャリバー 400

約5日間のパワーリザーブと高い耐磁性を備えた新開発自社製キャリバー400を搭載する話題のモデル。300m防水ダイバーズ。10年間保証付き。自動巻き。径43.5㎜。SSケース&ブレスレット。34万円。問い合わせ:オリス ジャパン

文字盤に豪華な金箔を採用
ザ・シチズン
25周年記念限定モデル

年差±5秒の高精度エコ・ドライブムーブ搭載。文字盤は土佐和紙に金沢金箔を施した。限定500本(完売)。光発電クォーツ。径38.3㎜。スーパーチタニウム™ケース。ワニ革ストラップ。35万円。問い合わせ:シチズンお客様時計相談室

伝統のブルーを文字盤とベゼルに
チューダー
ブラックベイ フィフティ-エイト〝ネイビーブルー〞

200ⅿ防水ダイバーズの登場年を冠したコレクションの、ネイビーダイヤル&ベゼル。やや小ぶりなサイズ感もいい。自動巻き。径39㎜。SSケース&ブレスレット。200ⅿ防水。36万3000円。問い合わせ:日本ロレックス / チューダー

1943年の優雅なクロノを復刻
ロンジン
ロンジン ヘリテージ クラシック タキシード クロノグラフ

ブラックのアワーサークルとオパーリンを組み合わせた文字盤にブルーのタキメーターを配した、クラシックでエレガントな2カウンタークロノ。自動巻き。径40㎜、SSケース。レザーストラップ。36万1000円。問い合わせ:ロンジン

話題の自社ムーブをプチコン化
ボーム&メルシエ
クリフトン ボーマティック デイデイト/ムーンフェイズ

2018年発表の5日巻き自社ムーブ、ボーマティックをベースに、12時位置に曜日、6時位置にムーンフェイズとポインターデイトを搭載。自動巻き。径42㎜。アリゲーターストラップ。47万5000円。問い合わせ:ボーム&メルシエ

往年のサーフスタイルの味わい
ブライトリング
スーパーオーシャン ヘリテージ '57 リミテッド エディション Ⅱ

最前線で働く医療従事者を支援する特別モデル。自動巻き。径42㎜。SSケース。カーフストラップ。100m防水。50万5000円。限定1000本。問い合わせ:ブライトリング・ジャパン

<b>話題騒然!あの大ヒット作を復刻<br>ブルガリ<BR>ブルガリ アルミニウム ウォッチ</b><br>1998年に登場し爆発的人気を呼んだモデルをアップデート。レトロ感と新鮮さが絶妙に融合。自動巻き。径40㎜。アルミニウムケース。ラバーベゼル。ラバーストラップ。31万5000円。<strong>問い合わせ:</strong>ブルガリ ジャパン
<b>新開発の自社製キャリバー搭載<br>オリス<BR>アクイス デイト キャリバー 400</b><br>約5日間のパワーリザーブと高い耐磁性を備えた新開発自社製キャリバー400を搭載する話題のモデル。300m防水ダイバーズ。10年間保証付き。自動巻き。径43.5㎜。SSケース&ブレスレット。34万円。<strong>問い合わせ:</strong>オリス ジャパン
<b>文字盤に豪華な金箔を採用<br>ザ・シチズン<BR>25周年記念限定モデル</b><br>年差±5秒の高精度エコ・ドライブムーブ搭載。文字盤は土佐和紙に金沢金箔を施した。限定500本(完売)。光発電クォーツ。径38.3㎜。スーパーチタニウム™ケース。ワニ革ストラップ。35万円。<strong>問い合わせ:</strong>シチズンお客様時計相談室
<b>伝統のブルーを文字盤とベゼルに<br>チューダー<BR>ブラックベイ フィフティ-エイト〝ネイビーブルー〞</b><br>200ⅿ防水ダイバーズの登場年を冠したコレクションの、ネイビーダイヤル&ベゼル。やや小ぶりなサイズ感もいい。自動巻き。径39㎜。SSケース&ブレスレット。200ⅿ防水。36万3000円。<strong>問い合わせ:</strong>日本ロレックス / チューダー
<b>1943年の優雅なクロノを復刻<br>ロンジン<BR>ロンジン ヘリテージ クラシック タキシード クロノグラフ</b><br>ブラックのアワーサークルとオパーリンを組み合わせた文字盤にブルーのタキメーターを配した、クラシックでエレガントな2カウンタークロノ。自動巻き。径40㎜、SSケース。レザーストラップ。36万1000円。<strong>問い合わせ:</strong>ロンジン
<b>話題の自社ムーブをプチコン化<br>ボーム&メルシエ<BR>クリフトン ボーマティック デイデイト/ムーンフェイズ</b><br>2018年発表の5日巻き自社ムーブ、ボーマティックをベースに、12時位置に曜日、6時位置にムーンフェイズとポインターデイトを搭載。自動巻き。径42㎜。アリゲーターストラップ。47万5000円。<strong>問い合わせ:</strong>ボーム&メルシエ
<b>往年のサーフスタイルの味わい<br>ブライトリング<BR>スーパーオーシャン ヘリテージ '57 リミテッド エディション Ⅱ</b><br>最前線で働く医療従事者を支援する特別モデル。自動巻き。径42㎜。SSケース。カーフストラップ。100m防水。50万5000円。限定1000本。<strong>問い合わせ:</strong>ブライトリング・ジャパン

 

ヴィンテージ・モデルを中心に佳作が目白押し

コロナ禍でも高価格帯モデルは好調との情報を耳にするが、それに負けず劣らず、この価格帯でも佳作が揃い、グランプリ選出は容易ではなかった。

往年の名作をベースに、現代の技術とデザインを加味してアップデートしたヴィンテージ・テイストのモデルは、ここ数年のトレンドだが、これに位置づけられるモデルが目白押し。モンブランは、1940〜50年代のミネルバの味わいを再現。ロンジンも’40年代のダンディクロノを復刻。ブライトリングは、’50年代のサーファー的なニュアンスのレトロ・ダイバーズをラインナップ。チューダーの『ブラックベイ フィフティ-エイト』は、’58年デビューのダイバーズがオリジンだが、’69年にブルーの文字盤&ベゼルのモデルを発表して以降、このカラーがチューダーのダイバーズを象徴するものになったことを意識している。

8月末に開催された新作発表イベント、ジュネーブ・ウォッチ・デイズで発表された『ブルガリアルミニウムウォッチ』にも驚かされた。1998年に登場して以来大人気となり、2007年まで生産されたモデルが再降臨。ヴィンテージと呼ぶにはやや新しいが、当時を知る人には懐かしく、知らない人には新鮮。このいい塩梅のレトロ感は〝技あり〞という印象。

ヴィンテージ・テイスト以外では、オリス渾身の自社開発キャリバー400は、評価に値する出来栄え。『ザ。シチズン』の25周年記念モデルは、同社の自信を感じさせた。

こうしたモデルの中で、時計愛好家が憧れるモノプッシャー機構を手の届く価格で実現したモンブランが、アタマひとつ抜け出した。往年のミネルバの雰囲気をうまく取り入れ、この時計を着けるシーンや合わせたい服装まで思い描けるような演出もお見事だった。

受賞の理由

①ミネルバツールのクロノ

②緩急をつけた〝サーモン〞

③狙える価格帯

ケースバックにはミネルバ・マニュファクチュールの外観を描いたイラストがエングレーブされ、ヘリテイジプロダクトラインらしい雰囲気を醸し出している。

3時位置の分積算カウンタ
ーの3、6、9分のインジケータ―が強調されているのが分かる。これは、往年のコイン式公衆電話の通話時間を意識したもの。こんなディテールの演出も心憎い。


[時計
Begin 2021 WINTERの記事を再構成]