2022.10.11

横顔美人な腕時計【ザ・ファーストモデル ♯09 ルイ・ヴィトン「タンブール」】

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伝説のクロノグラフが、いま蘇る

2002年、ルイ・ヴィトンが放った渾身の腕時計「ダンブール」。その時の強烈なインパクトは、今でも鮮明だ。『時計Begin』は、時計の専門誌であり、それまでラグジュアリーブランドの時計には、あまり触れる機会がなかった。突如現れた「タンブール」は、とにかく時計のケース形状が、ユニーク。「タンブール」とは、フランス語でドラムを意味する。この時計は真横から見ると、下に向かって裾が広くなっていく。すり鉢状にすぼまっていくタイプはよく見ていたが、その逆は、それまで見たことがなかった。

2002年、初代「タンブール」は、旅との関わりが深いルイ・ヴィトンらしく、GMT機能を搭載。

普通に考えれば、野暮ったくなりそうなものだ。「タンブール」が世間をあっと言わせたのは、その個性的なケースが、可愛らしくもあり、極めてエレガントであったからだ。「タンブール」はラグジュアリーブランドの腕時計として、『時計Begin』が初めて表紙に採用した腕時計である。表紙を飾ったタンブールの姿は、これもまた本誌初の「横姿」であった。

ケースの美しさは、横から見るとよく分かる。またワンピースのラグも、このケースにピタリとマッチしている。

本誌がこれほどまでにタンブールに魅了されたのには、もう一つ理由がある。それは中身に搭載されていたムーブメントだ。タンブール第2弾のクロノグラフは、なんとゼニスの傑作クロノグラフ・キャリバー「エル・プリメロ」が搭載されていたのだ。今でこそ、こうしたコラボはよく見られるが、当時は中身の話、特にムーブメント事情を赤裸々に見せることは、避ける風潮があった。

2003年に発表され時計業界をザワつかせた「タンブール LV277 クロノグラフ」。ケース直径は41.5㎜で、クロノメーターを取得したエル・プリメロを搭載。

「自社のキャリバーでなくても、良いものは良い」。ある種割り切ったルイ・ヴィトンの新しい戦略は、その後のラグジュアリーメゾンによる本格時計参入の指針となった。2022年は、タンブールの生誕20周年。ルイ・ヴィトンはこの節目の年に、特別な時計を用意した。エル・プリメロを搭載した当時と同じコンセプトのクロノグラフを、200本復刻したのだ。しかも、ほんの数分で完売してしまったとのこと。

2022年「タンブール トゥエンティ」。初代タンブールの20周年を記念した限定モデル。2003年のクロノグラフと比べると、ダイヤルのデザインなどに変更が見られる。6時位置のインダイヤルに「TWENTY」の文字が入る。完売。

「タンブール トゥエンティ」が搭載するムーブメントは、2003年のクロノグラフと同じく「LV277(エル・プリメロ)」。

2010年「タンブール ミステリューズ」。ムーブメントが宙に浮いているように見えるこのモデルは、ルイ・ヴィトンの複雑時計を専門とするウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」と、スイスの頭脳集団と言われる時計工房「ルノー・エ・パピ」との共同開発によるもの。

2020年「タンブール カーブ フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ」。直径46㎜の迫力のあるケースは、ルイ・ヴィトンのために特別に開発されたカーボストレイタム®︎という素材。超軽量でありながら、耐久性にも優れている。手巻きムーブメント、キャリバーLV108は、フライングトゥールビヨンを搭載し、80時間のパワーリザーブ。

 

伝説のクロノグラフは、20年の時を経ても、その威力は全く衰えていなかったようだ。タンブール20年分のアーカイブが気になるなら、ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店で開催中のエキシビションに足を運んでみてほしい。

2022年10月16日(日曜日)まで、タンブールの20年の歴史を辿ることができる特別なエキシビションをルイ・ヴィトン 渋谷メンズ館の2階で開催中。東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North

問い合わせ:ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL 0120-00-1845

(文・構成/市塚忠義)

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