2022.12.22

ウブロ素材革命の、これが原点【ザ・ファーストモデル ♯12 ウブロ「クラシック フュージョン」】

ウブロの創業は1980年。100年以上の歴史を持つブランドが名を連ねるスイス時計業界の中では、比較的新しいブランドと言えるだろう。そのブランド誕生と同時に発表されたモデルが「クラシック」である。

1980年のバーゼルフェアで発表された初代クラシック。現在人気の高い、スポーツラグジュアリーウォッチの先駆け的存在であった。

船窓を模したと言われるゴールドケースのベゼルには、チタン製のビスが取り付けられている。ストラップに採用されていたのは、なんと天然のラバー素材であった。高級素材と、かつてないスポーティな素材の組み合わせ。この斬新なスタイルは、まだ無名であったウブロの名を一躍世界に広めることとなった。

2005年、ビバー氏が就任した直後に発表されたクラシックは「トラディション」と、名称が改められた。

1980年当時、ラバーのストラップが、存在しなかったというわけではない。しかし、ラバーストラップには、いくつかの難点があった。ひとつは張力が加わったときの耐久性。ウブロは医療分野の技術を応用することで、ちぎれにくいラバーの開発に成功した。ラバー特有の臭いに関しては、バニラの香りを加えることで解消。また腕の太さに合わせて「カットできない」点に関しては、購入者用に10種類以上の長さの違うストラップを準備し、ベストな1本を選んでもらうという、徹底したサービスを用意していた。

2008年に再びコレクション名が変更され、現在の「クラシック・フュージョン」に。写真は2009年の限定モデルで、ビスや秒針のカウンターに、H型が採用された。

「クラシック」が大きな転換を迎えるのは、2004年。ウブロはこの年、時計業界の重鎮ジャン-クロード・ビバー氏を、ブランドに迎え入れた。氏はさっそく、コレクションの改革に着手。それまでクォーツと機械式とが混在していたラインナップを、自動巻きを中心にして、時計の装備やデザインも、一層先鋭的なものにしていった。

2011年に登場した「クラシック・フュージョン」。デザインの大きな変更はないものの、ケース素材の“フュージョン”が加速。こちらのモデルのケース素材は、耐食性の高いジルコニウム製だった。

2005年、ウブロの新しいアイコン「ビッグ・バン」が登場すると、「クラシック」にも大きな影響を与えることとなった。2008年、名称が「クラシック・フュージョン」に変更されると、ベゼルのビスはHUBLOTのH型となり、秒針のカウンターにもHがデザインされるように。ボディもより薄型となり、現行モデルに通ずるスタイルを確立した。

2013年には薄型の手巻きムーブメント搭載モデルが誕生。7時位置のスモールセコンドが個性的だ。

さらに“フュージョン(異素材の融合)”のコンセプトのもと、ケースにチタンやセラミックスといった先端素材を取り入れたほか、ストラップにもウブロのDNAであるラバーとアリゲーターを組み合わせた仕様を用意するなど、次々と斬新なアイデアを繰り広げていった。

クラシック・フュージョンは、素材やサイズの他にも、さまざまな機能を搭載したモデルへと進化。写真はクロノグラフ・ムーブメントを搭載した「クラシック・フュージョン クロノグラフ イエローゴールド」。自動巻き。径42㎜。18KYGケース。ブラックラバーストラップ。363万円。

新素材の採用などで、時計のバリエーションは増えつつも、基本的なスタイルはオリジナルのファーストモデルから一貫している。さらにサイズ展開の豊富さ(例えば3針モデルであれば、33㎜、38㎜、42㎜、45㎜の4サイズを用意)も、クラシック・フュージョンが常に高い人気を誇っている理由であろう。

クラシック・フュージョンから派生したアエロ・フュージョンの最新作「アエロ・フュージョン クロノグラフ アルミニウム ピンク」。日本限定100本。自動巻き。径45㎜。アルミニウムケース(ケースバックはチタン)。ピンクラバーストラップ。235万4000円。

問い合わせ:LVHMウォッチ&ジュエリー ジャパン ウブロ

同じカテゴリーの記事